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サイクル ロードレース コラム 2017年6月8日

【ツールに恋して~珠玉のストーリー21選~】唯一果たせなかった総合優勝の夢、アイルランドが生んだ異端児の孤独な戦い

ツールに恋して~珠玉のストーリー21選~ by 山口 和幸
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このケリーの活躍により、1980年代になると英語圏から続々とプロロードレーサーがヨーロッパ大陸にやってきた。アイルランドのロッシュ、アメリカのグレッグ・レモンやアンドリュー・ハンプステン、スコットランドのロバート・ミラー、オーストラリアのフィル・アンダーソン、カナダのスティーブ・バウアーらだ。

ケリーはさらに「スーパープレステージ」と呼ばれる世界ランキングでも1984年から3年連続で11位になり、さらにそれを継承するワールドカップランキングでも1988年まで1位の座を守り続けた。フランスのベルナール・イノー、アメリカのグレッグ・レモンらの強豪がいた時代である。

実現できなかった夢はツール・ド・フランス総合優勝。前述したように区間優勝は5回あり、そしてキングオブスプリンターの称号であるポイント賞は4回獲得している。1983年には総合7位と健闘し、84年は5位、85年は4位とタイトル獲得に近づいていく。しかし総合優勝はついに果たせなかった。ツール・ド・フランスの山岳ステージで小柄なスペシャリストと渡り合うことはできなかった。

「ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリアの山岳ではダンシングで軽々と上ってしまうスペシャリストを相手になすすべもない。ツール・ド・フランスを勝つことは夢で終わってしまった」

代替画像

山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

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