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サイクル ロードレース コラム 2017年6月16日

【ツールに恋して~珠玉のストーリー21選~】前人未踏の5連覇を成し遂げた心優しきマイヨ・ジョーヌ、インデュライン

ツールに恋して~珠玉のストーリー21選~ by 山口 和幸
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続くピレネーの山岳ステージで、インデュラインは上りに強いクラウディオ・キャプーチと逃げ、3年連続4度目の総合優勝をねらっていたグレッグ・レモンに大差をつけて総合1位に立った。それがインデュライン時代の幕開けだった。インデュラインは最終日のパリまで逃げ切り、初優勝を遂げた。

インデュラインはその後、1995年まで完全無欠の走りでライバルにつけいるすきを与えることなく前人未踏の5連覇を達成。「一度たりともインデュラインに勝てると感じたことはなかった。2位で終わったとしても満足だ」。スペインの無敵艦隊と運悪く時を同じくしてしまったライバルたちが口をそろえた。

レースを終えてもインデュラインの優しさには定評があった。サインひとつとっても、インデュラインはスペイン国王からホテルの前に陣取る子供たちまで同じサインを書いてみせる。嫌みのない対応は人々の心を釘付けにして十分あまりあるものだ。

現在はバスク地方の生家で謙虚な生活を送っているという。それがまたインデュラインらしいところだ。ツール・ド・フランスが興行とスポーツという狭間に揺れ動いた時代の王者として、彼の記憶から受ける印象にはネガティブなものがない。よき時代のマイヨ・ジョーヌなのである。

代替画像

山口 和幸

ツール・ド・フランス取材歴25年のスポーツジャーナリスト。自転車をはじめ、卓球・陸上・ボート競技などを追い、日刊スポーツ、東京中日スポーツ、Number、Tarzan、YAHOO!ニュースなどで執筆。日本国内で行われる自転車の国際大会では広報を歴任。著書に『シマノ~世界を制した自転車パーツ~堺の町工場が世界標準となるまで』(光文社)。2013年6月18日に講談社現代新書『ツール・ド・フランス』を上梓。青山学院大学文学部フランス文学科卒。

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