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ひどい濃霧が山道を包み込んでいた。勾配は下がるどころか、再び18%にまで跳ね上がった。脚の痛みに顔を歪め、自らの持てる力を限界まで「掘り起こさなきゃならなかった」というウッズにとっては、まるで受難の道だった。
「ずっと苦しいシーズンを送ってきた。何度も落車して、体調を崩して……自分の真のポテンシャルを発揮する機会に恵まれなかった。しかも僕と妻は息子を失った。2ヶ月前に妻が死産したんだ。妻の父も1ヶ月前に亡くなった。だから坂道を上りながら、家族のことを考えた。息子のために勝ちたいと願った。ただただ僕の小さな息子ハンターのことを想い続けたんだ」(ウッズ)
暗い地獄を抜け出した先には、輝ける栄光が待っていた。ウッズは先頭でフィニッシュラインを越え、急速に追い上げてきたトゥーンスを5秒差で振り払った。本来は陸上選手で、2013年から本格的な自転車レース転戦を始め、トッププロの世界に入ってわずか3シーズン目という遅咲きが、31歳で初めてグランツール区間勝利を手に入れた。山頂では喜びと悲しみの入り混じった涙が溢れ出した。
後方の大物たちは、残り25kmから動き始めた。アスタナが突如として全員で隊列を組み上げると、弱者を後方からどんどんと切り捨てていった。さらには最終峠に入ると、バスクで生まれ育ったペイオ・ビルバオが、リーダーのミゲル・アンヘル・ロペスのために高速テンポを刻んだ。
ところが肝心の荒れたコンクリート道路に突入すると同時に、ロペスは全てのアシストを使い果たしてしまう(ただし最終1kmではフライレが前で待っていた)。総合2位アレハンドロ・バルベルデが、「他の選手たちの調子を見るために」、少々長めの加速を試みたせいだ。ちなみに、ここで判明したのは、ミッチェルトン・スコットの山岳アシストたちが頼もしい脚と素晴らしい忠誠心を持っていること。なにしろジャック・ヘイグがすかさず事態収拾に走った。これを最後にヘイグが仕事を終えると、サイモンの双子の兄弟アダム・イェーツが牽引作業を引き継いだ。
もはやマイヨ・ロホを含む総合上位6人だけが生き残り、互いに睨み合っていた。その最前列に立ち、アダムはひたすら厳しいリズムを強いた。残り2.5km、総合4位ナイロ・キンタナがついていけなくなった。ほんの少し先では総合3位ステフェン・クライスヴァイクさえも蹴落とした。さらにはラスト1.5kmでロペス本人がアタックを仕掛けると……サイモンとほぼ同じ脚質を持っているアダムが、素早い牽引で危険人物を引きずり下ろした。
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