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総合26秒差につけていたバルベルデにとって、総合首位の座は射程圏内だった。本人の意図はともかく、所属チームのモヴィスターは、「今日こそバルベルデにマイヨ・ロホを着せる」とスタート前に高らかに宣言していた。「もそも今大会、これまでも何度もチャンスはあったはずだ。特に第9ステージから第11ステージまでは、イェーツの1秒差で総合2位につけてきたのだが。
そしてスタートから10kmで、イェーツとの差を順調に3秒縮めた。ところが中盤で向かい風に苦しめられ、マイヨ・ロホから逆に15秒差をつけられてしまう。「リズムを崩さず淡々と走った」イェーツから、その後も思うようにタイムを回収することはできなかった。結局バルベルデは、新たに7秒を失った。2014年ブエルタ第8ステージ以来4年ぶりにマイヨ・ロホをまとうことは叶わなかった。
「僕も38歳だから……。でもいまだに総合2位につけてるから問題ないさ。今後は僕が唯一絶対のチームエースかって?いや、そうは思わない。あくまでもリーダーはキンタナだ。たしかに周りからは色々期待されているのは分かるけど、僕自身は、あまりプレッシャーを感じずに走り続けたい」(バルベルデ)
ちなみにステージ後に、アルカンシェル争奪戦に向けたスペイン代表プレ人選が発表された。当然ながら、バルベルデの名前もそこにはあった。やはり世界選手権を視野に入れつつ、ピークを長期に渡って保てるような調整を積んできたというサイモン・イェーツは、デニスから1分28秒遅れの13位でフィニッシュラインを越えた。総合2位バルベルデとのタイム差は、26秒から33秒へと押し広げることに成功した。
総合3位との差も、33秒から52秒へと拡大した。ただし3番目につけるのは、もはやキンタナではない。ツール3週目から絶好調を維持するクライスヴァイクが、ついに表彰台の位置に昇格したからだ。キンタナは1分15秒遅れの総合4位へと一歩後退した。また総合5位にはマスが1分30秒差で割り込み、しかも1分34秒差の6位ロペスから、(ジャージは存在しないが)新人賞までもさらいとった。
「ジロのTT後、僕は今以上のリードを有していたんだよ。でも、結果は、皆さんご存知の通り」(サイモン・イェーツ)
5月のイタリア一周でも、やはり第16ステージで個人タイムトライアルが行われ、イェーツはしっかりマリア・ローザを守り切った。総合2位トム・デュムランには56秒差、3位ドメニコ・ポッツォヴィーヴォには3分11秒差、4位クリス・フルームには3分50秒差を有していた。しかしその3日後の第19ステージに、サイモンは全てを失ってしまう。
「30秒なんてあってないような差だし、なにより僕にはジロで崩れた理由がいまだに分からないんだ。あんな1日を迎えずに済むよう祈ってるけど、それでも可能性は常にある。幸いにも今現在は非常に調子がいい。だから攻撃は最大の防御……とも言われる通り、この先も区間の終わりには、積極的に数秒を取りに行かねばならないだろう」(イェーツ)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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