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サイクル ロードレース コラム 2018年9月8日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第13ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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イェーツとキンタナは共闘しつつも一騎打ち

イェーツとキンタナは共闘しつつも一騎打ち

後方メイン集団も、最終峠への突入と共に騒がしくなった。熾烈な先頭争いとスピードアップが繰り返された。好位置を奪ったのはミッチェルトン・スコットで、有能な山岳護衛ジャック・ヘイグの刻む恐るべきテンポに乗って、そのまま激坂ゾーンへと飛び込んでいった。

あっという間にメイン集団は1ダースほどに小さくなった。エラダもすぐに脱落し、「マイペース」に切り替えた。一番にアタックを打ったのはウィルコ・ケルデルマンだった。キンタナとイェーツはすぐさま後輪に飛び乗り、有力勢もきっちり反応した。ところがミゲル・アンヘル・ロペスは、メカトラブルが原因で、ほんの一瞬立ち止まらざるを得なかった。幸いにも素早く自分自身で解決し、後を追いかけ始めるが……。

「ライバル集団に戻るのに、多くの労力を要した。だからキンタナとイェーツがアタックを仕掛けた時、もはや僕には追いかけるだけの体力が残っていなかったんだ」(ロペス)

締めくくりはイェーツとキンタナの一騎打ちに持ち込まれた。いや、残り1kmの直前で飛び出した2人にとっては、どうやら「共闘」でもあったようだ。キンタナが「僕ら向きの地形だからイェーツに協力を促したんだ」と語り、サイモン・イェーツも「勾配が緩むゾーンまで、ちょっとしたドラッグレースさながら、ふたり並んでひたすらスプリントした」と付け加えたように、2人で後方との距離をまんまと開いた。最後はキンタナが加速し、イェーツに6秒差をつけてラインを越えた。

その3秒後にエンリク・マスが、さらに8秒後にアレハンドロ・バルベルデとピノがフィニッシュ。ロペスはキンタナから20秒を落とし、被害を最小限に食いとどめた。真っ先に仕掛けたケルデルマンは、他の3選手と共に25秒遅れだった。

そしてエラダは区間勝者から4分18秒、キンタナからは1分46秒遅れで1日を終えた。つまり総合でのリードは3分22秒から1分42秒に小さくはなったけれど、望み通りに赤ジャージを守りきった。総合トップ10のメンバーの顔ぶれにも変化はなかったが、ただし順位の入れ替えは行われた。総合2位サイモン・イェーツの次点には、キンタナが8秒差につける。バルベルデは4位へとひとつ順位を下げ、悔しいロペスは8位から5位へと浮上した。

一方で総合2位から11位まで47秒以内にひしめきあう状態は、激坂の果てで打ち止めとなった。そうは言っても、まだまだひどい接戦であることに変わりはない。総合2位から4位まではわずか14秒差しかなく、総合2位から8位までが1分以内に鎮座している。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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