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ピノはその後も、まるで力を出し惜しみしなかった。かつては大の苦手だったダウンヒルを利用して、加速したこともあった。峡谷のうねった道で、数選手と連れ立って、勇敢にも先行を試みた。しかし、いつの間にか、またしてもグループの中に引きずり込まれるだけだった。
残り26km、3級山岳の上りで、不意にヨナタン・レストレポが攻撃に転じた。19人の逃げ集団の中でもほぼノーマークで過ごしてきたカチューシャのコロンビア人が抜け出すと、BMCのデマルキがすぐさま後を追った。チームも本人も総合争いにまったくの関係ない2人の背後では、相変わらずピノを取り巻く睨み合いが続いていた。
「レストレポを捕らえた後、すぐに僕は独走を始めた。でも、まだまだ、フィニッシュまで遠すぎた。だから彼が追いついてくるのを待ったんだ」(デマルキ)
懸命な判断だった。上りではピノがまたしても加速を打ったし、モレマも下りアタックを試みた。残り15kmを切ると、そこまでは「総合エースのアシスト役」を務めていた選手たちの中からも、いよいよ自身の成績を追い求めて本気の追走を始める者が現れた。つまりレストレポとの協力体制を選んだおかげで、デマルキは、後続との差を安全に保つことが出来たのだ。
「ラスト4kmに再度アタックを試みようと決めていた。最後にもうひとつ上りがあると分かっていたし、もしも加速して引き離せなかったら……おそらく自分はスプリントで2位に終わることは明らかだったから。脚は空っぽだったけど、頭で勝負した」(デマルキ)
折しも大粒の通り雨が襲いかかった。残り4km、決意通りに、デマルキは賭けに出た。空っぽの脚で、重いギアを踏み込んだ。これで勝負は決した。
「スペシャルな勝利だよ。ずいぶんと長い間、勝利を追い求めてきた。だからフィニッシュラインでは、とてつもない安堵感を抱いた。時々、勝利ってどんなものなのかを忘れてしまったような、そんな気持ちになったこともあった。でも今は、自分のベストを取り戻せたような気分だ」(デマルキ)
チームタイムトライアルで何度か表彰台には上がってきたけれど……デマルキが個人として勝利を手にするのは、2015年ブエルタの第14ステージ以来、実に3年ぶり。前年2014年の1勝も加えて、ブエルタでは3度目の大逃げ独走勝利だった。
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