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サイクル ロードレース コラム 2018年9月6日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2018 第11ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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時速48km超というとてつもない高速でレースは展開された

時速48km超というとてつもない高速でレースは展開された

前方に姿を認めたのは、なにもマイヨ・ロホのアシストだけではない。総合上位8選手+チームスカイが、きっちりチームメートを1人ずつ前方へと潜り込ませていた。おそらく、なんのしがらみもなく区間勝利だけを追い求めたのは、バウケ・モレマとティシュ・ベノート、さらにはBMCの3選手くらいのものだった。

そして、あらゆる選手にとっての邪魔者は、ティボー・ピノだった。なにしろ総合ではわずか2分33秒遅れでしかなく、しかも、側には若きチームメートを1人従えていた。疲れ果てたミッチェルトンは、集団制御を放棄し、あっさりと4分半ほどのタイム差を与えたが、総合2位・3位を擁するモヴィスターが黙ってはいなかった。プロトン最前列で隊列を組むと、タイム差コントロールへと乗り出した。

「ピノにリードを与えて、総合戦線へと復帰させてしまうのは、僕らにとっては極めて都合が悪いからね」(アレハンドロ・バルベルデ)

当然ながらエスケープ内では、誰1人として、ピノと進んで協力体制を取ろうとはしなかったが、本人はまるで構わなかった。本気で表彰台乗りを目指した(そして目標達成直前に病に倒れた)ジロとは違い、特に総合争いをしているつもりはなかったからだ。だから22歳初グランツールのレオ・ヴァンサンに、精力的に前を引かせた。

「今日はちょっとしたポーカーゲームに挑んでみたんだ。うん、これは戦術ゲームだったから、他の選手が引かなくたって当然さ。一方の僕は、脚の調子が良かったから、あらん限りの力を振り絞った。だって走る喜びと、アタックの感覚を取り戻すために、僕はブエルタにやってきたんだから。翌日や総合のことを考えつつ、計算しながら走るつもりなんてない」(ピノ)

その言葉通りに、19人の中で、ピノが真っ先にアタックを仕掛けた。フィニッシュまでいまだ67kmも残っているというのに、果敢に先方へと飛び出した。BMCのディラン・トゥーンスと2人で逃避行を続けたが、ヘイグを筆頭とする総合系アシストたちの見事な働きで、10kmほど先で捕らえられた。

勝ちへの意欲なら、モレマも負けてはいなかった。すでに5日目と9日目に大逃げを企むも、2度共に2位に泣いた。特に2度目は、ライバルに早めの先行を許してしまったがための、悔しい負けだった。だからこそこの日は、残り48kmの中間ポイントを利用して、ひどく気の早い独走に持ち込んだ。ライバルたちには30秒ほどの差をつけた。

追いかけたのはピノだった。ちょっとした上りを利用して加速すると、まんまとモレマを捕まえた。ただ、やはり、ピノの後輪にはヘイグがきっちり張り付いていた。他のアシストたちもぞろぞろと付いてきた。モレマは残り38kmで捕らえられ、またしても逃げ集団はひとつにまとまった。

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