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ガロパンからわずか5秒後に、約30人の集団がラインに雪崩込んだ。集団内のスプリントは、サガンが制した(区間2位)。ツールでの落車でひどい怪我を負って以来初めて、サガンがサガンらしい走りを見せた瞬間だった。ちなみにガロパンが無謀にも総合争い……というなら、世界選手権3連覇中のサガンは、近年屈指の難しさを誇るインスブルックの世界選手権で4連覇を狙っている!
そして3位にはバルベルデ。ライバルたちからあまりにも厳しくマークされ、キンタナ護衛にも力を尽くし、「すべてをコントロールすることなんて出来なかったよ」と無念がる。それでも中間ポイント2位通過でボーナスタイム2秒を稼ぎ、フィニッシュラインでは4秒を収集した。この7日間に集めたボーナスタイムはトータル16秒に上り、全176人のプロトンの中では最多を誇る。「総合を狙う?まだまだ様子を見ていかなきゃ」なんて38歳の大ベテランは慎重な姿勢を崩さないが、総合順位は5位から2位へと一気にジャンプアップした。
代わりにクヴィアトコウスキーが、総合2位から6位へと陥落した。落車後すぐに再スタートを切り、必死の追走を続けたが、ガロパンから30秒、大部分の総合ライバルたちから25秒を失った。幸いにもチームスカイのダビ・デラクルスはメイン集団に留まった。
またアルデンヌ派パンチャーのモラールも、無事にメイン集団で1日を終えた。前日はチームエースのティボー・ピノの脱落に複雑な表情を見せたが、この日は手放しで表彰台を楽しんだ。
「昨日はがっかりしたけど、今日は本当に満足してる。素晴らしい結果だよ。まずはティボーと僕が前集団でフィニッシュできた。なによりこれが最も重要なこと。それにトニーの勝利がすごく嬉しいんだ。僕ら一緒にアンドラでトレーニングを積んでき。ブエルタでいい走りをすることが、2人の共通の目標だった。そして今、僕はマイヨ・ロホを着ていて、彼はステージを勝った。すごいや!」(モラール)
そんなモラールは「明日第8ステージはスプリンターたちが活躍したいんじゃないかな?」なんて予想する。ただし最終600mには、またしても急な坂道が待っている。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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