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「信じられないほど素晴らしい勝利だよ。ツールの区間勝利は僕にとって長年の夢だったし、そのために厳しい練習に励んできた。1㎝差だろうが1m差だろうが、勝利は勝利。だけど独走で勝利を手に入れられたんだから、なおのこと喜びは大きい。それに、とっても誇らしい気分なんだ。だってこの坂を勝ってきた偉大なるスペインの先輩たちの、後に続くことが出来たんだから」(フライレ、ミックスゾーンインタビューより)
そう、近頃はフランス人に冷たいこのマンドの激坂は、2007年パリ~ニースではアルベルト・コンタドールに、2010年ツールではホアキン・ロドリゲスにほほ笑んだ。2018年はフライレが笑う番だった。2015年と2016年にブエルタで山岳賞を勝ち取り、2017年ジロでは初めてのグランツール区間勝利を味わったスペイン人は、28歳の誕生日の4日目に、生まれて初めて参加したツールで、初めての区間勝利を手に入れた。
ちなみにフライレの左腕には、黒い喪章がつけられていた。カザフスタン人フィギュアスケーター、デニス・テンに対する追悼の印だった。ソチ五輪の男子シングル銅メダリストは、2日前に車泥棒に刺され、命を落とした。
アラフィリップは6秒届かず、肩を落とした。サガンは12秒後の区間4位に飛び込み、ファンたちに嬉しい衝撃を与えた。今区間だけで緑ジャージ用ポイントを39pt追加し、トータルを437ptに伸ばした。もはや注目点は「6度目のマイヨ・ヴェールを獲れるか」ではなく、「2年前の自己最高記録通算470ptをどれだけ上回るか」なのかもしれない。
はるか後方で、のんびりと走ってきたメイン集団は、決して勝負を放棄したわけではなかった。ステージも残り10㎞を切ると、突如として主導権争いを始めた。特にAg2rとモヴィスターとが競り合い、最終坂に入ると、まずは前者が先頭を引いた。残り3㎞ではミケル・ランダが、ほんの様子見程度に小さな加速を行った。
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