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マイヨ・ヴェールは6度目にほぼ王手をかけたと言ってもいい。なにしろアルプス突入前までポイント賞で2位につけていたフェルナンド・ガビリアと、区間2連覇で急速に追い上げてきた3位ディラン・フルーネウェーヘンは、とっくに家へ帰ってしまった。自動的に2位に浮上したクリストフには、すでに228ptもの差をつけている。例えば翌第14ステージから4区間連続でクリストフが中間+フィニッシュで満点を稼ぎ、対するサガンが1ptも手に入れられなかったとしても……サガンがいまだ38pt差で首位に立っている計算だ。
「スプリンターの数が減って、流れが少し変わったよね。大会に残っているすべての選手に勝機があるし、すべての選手が自分にも勝てるかもしれないと信じてる。だから最後はいつも以上に混沌としていた。誰もがチャンスを欲しがった。でも、チャンスというのは、自分から作りに行かなきゃならないものなのさ」(サガン、公式記者会見より)
平地巧者たちの競り合いの後ろで、総合有力勢は問題なくステージを終えた。マイヨ・ジョーヌのゲラント・トーマスに言わせると「イージーな1日」で、クリス・フルームにとっては「回復日」だった。総合4位ニバリの不出走により、5位以下がひとつずつ繰り上がった以外は、上位勢にタイムや順位の移動はなかった。
「それでもスピードはかなり速かったし、最終盤はストレス満載だった。でもこれはいつものこと。プロトン全体がこの静かな1日を喜んだんじゃないかな。明日はまた難解なフィニッシュが待ち構えている。今まで何度かマンドの坂は上ったことがあるけど、どちらかと言えば僕向きかな。だって僕にはパンチ力があるから!」(トーマス、公式記者会見より)
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宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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