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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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プロトン屈指の逃げ巧者デヘントは、ここであっさり脚を止めた。一方シェアーは前で粘ることにした。持ち前のルーラー力を最大限に利用した。タイム差を再び50秒にまで広げさえした。しかしラスト20kmに突入すると、プロトンはギアを切り替えた。スピードを一段階上げ、スプリンターチームはもちろん、総合系チームも、集団前列で揃って隊列を組み上げた。
たったひとりの抵抗は残り6kmでむなしく終わりを告げた。幸いにも敢闘賞は手に入れた。BMCの一員としてチームタイムトライアル勝利は2度の経験を持つシェアーだが、個人としてステージ後の表彰台に上るのは、8度目のツール参加で初めての体験だった。
平和なステージの締めくくりにふさわしく、落車やメカトラに邪魔されることなく……残念ながら発煙筒が集団内に投げ込まれるハプニングはあったものの、問題なくスプリントフィニッシュへと突き進んだ。
アルノー・デマールにとっての問題は、むしろ残り1kmフラムルージュの真下でフィリップ・ジルベールが放った強烈なアタックだった。
「もちろん勝てると信じたさ。さもなきゃアタックなんて打たないよ。終盤のカーブの連続を利用しようと思った。でも上手くいかなかった。もしもスプリントまで待っていれば、もしかしたら3位か4位に入れたかもしれない。けど僕が欲しかったのはそれ以上の成績なんだ」(ジルベール、フィニッシュ後インタビューより)
突如として集団は混乱に陥った。FDJのアシストは追走に駆り立てられた。ラモン・シンケルダムが必死にスピードを上げた。ラスト400mから始まる最終カーブでは、ジャコポ・グアルニエーリが脚を使った。ついに残り270mでジルベールを捕らえた時には、2人の発射台は、すでに体力を使い果たしていた。最前線で取り残されたデマールには、もはや自力でスプリントする以外に選択肢はなかった。
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