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20秒後にはデュムランとフルームがフィニッシュ。今年のジロで総合優勝を争った2人は、山頂で小さなスプリントを競い合った。デュムランに軍配が上がり、2位6秒のボーナスタイムを手に入れた。マーティンは27秒遅れ。バルデ、ニバリ、キンタナ、ログリッチェの4人は、最後にはようやく協力体制を取ったものの、59秒もの遅れを喫してしまった。
総合ではトーマスが黄色に輝き、2位には1分25秒差にフルームがつける。デュムランは総合11位から1分44秒差の総合3位に浮上。総合4位以降はすでに2分以上のタイム差がついた。
ちなみにフィニッシュエリアや記者会見場は、レース最終盤から異様なざわつきに満たされた。「第2エース」という名のアシストが、ツール総合4勝、グランツール3大会連続制覇中の絶対的リーダーを突き放し、マイヨ・ジョーヌを手に入れてしまったせいだ。「君のチーム内のポジションは変わるか?」「君がフルームだったらどうするのか?」「この立場になってもフルームのために自己犠牲するのか?」など、2人に関する質問が次々とトーマスに投げかけられた。
「もちろんフルームが変わらずチームのリーダーだ。彼はグランツールを6回制している。一方の僕に関しては、まだ3週間のレースでなにが出来るのか、未知の部分が多い。それにチームの絶対的目標はツールを勝つこと。これに関してはフルームこそが最高の切り札だ。でも状況によるかな。今後のレースの展開次第だし、全てはチームの指示による。もちろんチームから、フルームのために牽引するよう命じられたら、そうするだけさ……」(トーマス、公式記者会見より)
ひどく短く、きわめて熾烈だったステージの終わりには、マーク・カヴェンディッシュとマルセル・キッテルが、制限時間アウトにより失格となった。ツール通算区間30勝の33歳と、同じく14勝の30歳は、今大会1勝も出来ぬまま去って行った。世代交代の波は静かに突然にやって来た。
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宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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