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200Kmを超える長いステージが、残り100Kmを切った頃、逃げ集団からシルヴァン・シャヴァネルがひとり前方へと飛び出した。ほんの3日前には思いがけず140Kmの一人旅を行ったが、この日は自らの意志で独走を選んだ。目標は山岳ポイント収集。こうして5つの山岳のうち、最初の3つでまんまと先頭通過を果たす。山岳ポイントも合計4ptを懐に入れた。
ところが39歳大ベテランは、第2ステージでも山岳ジャージを獲り損ねたように、この日も赤玉をわずかな差で逃すことになる。3つ目の山岳を終えた直後に、シャヴァネルは逃げの3人に合流された。追いついてきたのは2013年ブエルタ山岳賞ニコラ・エデ、カリフォルニア一周で逃げ勝利を決めたトームス・スクウィンシュ、なにより若きチームメートのリリアン・カルメジャーヌ。シャヴァネルの飛び出しは、実はこの後輩に体力を温存させるためでもあった。
「シャヴァの動きは良かった。彼自身は山岳ポイントを収集できたし、僕は後方で静かに過ごせたからね。逃げた他の選手たちは、どうやらみんな、山岳賞や敢闘賞を狙っていたようだった。でもせっかくツールで逃げに乗ったのに、副賞しか追い求めないなんて残念過ぎる。僕はこのレースには、あくまでも勝ちに来たんだ」(カルメジャーヌ、TVインタビューより)
カルメジャーヌの野望もまた、叶うことはなかった。シャヴァネルがいつしか脱落し、エデもかろうじてついていくだけで精一杯で、先頭はカルメジャーヌとスクウィンシュに絞り込まれた。しかし「名前も知らないトレックの選手」(TVインタビューより)に、グランツール山岳区間2勝のカルメジャーヌは翻弄された。残りの山岳ポイント収集のため「引かない」選択をした相手に、「逃げ切りたい」男は何度も短気を起こした。先輩のための「アシスト」さえ上手くできなかった。2つの3級山岳でいずれもスクウィンシュに先行を許し、シャヴァネルの山岳賞首位を守り切れなかった。
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