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【ツアー・オブ・カリフォルニア プレビュー】とんでもない数のエース級スプリンターたちが凌ぎを削る!ゴージャスすぎるほどの大集団スプリントに刮目せよ!
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかこんな偉大なるスプリンターたちには、全部で3ステージが捧げられる。ロング・ビーチの市街地周回コース(7マイル✕12周回)を巡る完全に平坦な第1ステージ。コース中盤に小さな峠がたった1つだけの第5ステージ。そして大会最終日は、サクラメントの市街地を贅沢に駆け巡る市街地スプリントで、華やかに締めくくられる。
ところでカリフォルニアの州都サクラメントの、自転車ファンたちにとってはおなじみの広い道路と直角コーナーが大会を迎え入れるのは、今年で9回目。いわゆるカヴェンディッシュの「狩場」で、過去4度、この街で両手を上げている。昨大会はキッテルが勝ち取った。一方でサガンにとっては平ら過ぎるのかもしれない。過去6回走り、2位が4回、優勝はゼロ回……。
一方で総合優勝の栄光は、2つの山頂フィニッシュ(第2、6ステージ)、1つのアップダウンコース(第3ステージ-)、そして1つの個人タイムトライアル(第4ステージ)で争われる。
大会2日目には早くも、総合本命たちが最前線に姿を現すだろう。超級ジブラルタル・ロード(登坂距離12km、平均勾配8%)での山頂フィニッシュは、ピュアクライマーの独擅場だ。翌第3ステージはパンチャーたちにチャンスあり。後半に難所が繰り返し詰め込まれている。タイムトライアルスペシャリストたちにも、勝利のチャンスが与えられる。なにしろ第4ステージは全長34.7kmの個人タイムトライアル。コースのラスト3分の1はほぼ真っすぐな道を突き進むから、ハイスピードでコンマ差を争うことになる。
そして最終日前夜、サウス・レイク・タホへと向かうコースで、最終的なイエロージャージの行方が決定する。196.5kmの長距離ステージは、スタート直後から上り始める。行く手には7つの峠が待ち構え、累計標高はなんと16000フィート……つまり約4876mにも達する!!
これほどまでの難関に、プロトン屈指の山男たちが立ち向かう。ツールで2度の山岳賞に輝いたラファル・マイカ、2016年ツール新人賞アダム・イェーツ、そして「U23向けツール」ツール・ド・ラヴニールの昨季覇者であり、先のツール・ド・ロマンディで総合2位に食い込んだ21歳の恐ろしきエガン・ベルナルが、総合大本命に上げられる。地元アメリカ勢が驚異的な奮闘を見せるのもまた、この大会の面白さだ。2013年大会覇者ティージェイ・ヴァンガーデレンは、その優勝以来5年ぶりのカリフォルニア参戦を表明した。またコンチネンタルチーム所属(今季プロコンチ昇格)ながら、2016年山岳賞、2017年区間2勝と目を見張るような素晴らしい活躍を見せたイヴァン・ハフマンからも、目が離せない。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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