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バスケット ボール コラム 2020年12月26日

井上ひかるが起点のピック&ロールで昭和学院を粉砕した高知中央  | ウインターカップ 2020 レビュー【大会4日目】

ウインターカップコラム by 青木 崇
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井上 ひかる

高知中央高校 井上ひかる

優勝候補の一角と見られた岐阜女を倒し、大きな自信をつかんでいたはずの昭和学院。しかし、八雲学園との3回戦で37点と爆発した高知中央の司令塔、井上ひかるの「昭和学院が強いチームということでスカウティングをして見ていたので、初めは緊張して自分たちのリズムでできなかったんですけど」という言葉の裏腹に、ティップオフ直後から試合をコントロールする。

切れ味鋭いドライブから2本、スティールから1本レイアップを決めるなど、クイックネスを生かして得点を稼ぎにかかる。ドライブからのフィニッシュでリズムをつかんだのか、ディフェンスが寄る前にストップしてからのジャンプショットも好調。1Qだけで12点を奪った。

留学生のセンター、ンウォコ・マーベラス・アダクヴィターがスクリーンをかけるピック&ロールに対し、昭和学院は試合を通じて止めるための答えを出すことができない。ンウォコの高さを警戒すると、井上がドライブであっさりとフィニッシュするシーンが何度も見られた。ンウォコがスクリーン後にペイント内にロールすれば、井上の的確なパスからゴール近辺でフィニッシュできるだけでなく、アウトサイドに動くポップアウトをしてもフリースローライン付近の距離であれば、ジャンプショットからでも得点できるのだ。

女子の留学生選手の多くは、基本的にインサイドでの得点やリバウンドとブロックショットが持ち味とする。しかし、ンウォコはピック&ロールからポップアウトし、シュートを決められるから厄介。「ピックはこの大会が始まってからずっとやってきたので、成果が出せてすごくよかったです」と語った井上が正確なパスを供給できることは、この試合で9本のアシストを記録したことでも明らかだ。

「この3年間で自分たちの目標を達成できたことがなくて、今年は自分たちの代だから絶対にベスト4へ行くことを目標にずっとやってきた。今日はこのような結果が出てうれしいです」と話した井上が27点。ンウォコもペイント内を中心に33点と、ワンツーパンチが期待に応える活躍を見せたことで、高知中央は85対71のスコアで快勝した。

スターターの5人中3人が178cmとサイズのある昭和学院に対し、活発な動きをするゾーン・ディフェンスで対応。30本のオフェンス・リバウンドを奪われるなど、苦しい時間帯に直面することもあったものの、3Pが37本中6本成功とチームとしてショットの確率を低く抑えられたのも、高知中央の勝因だった。

文:青木崇

青木 崇

青木 崇

NBA専門誌「HOOP」の編集者からフリーのバスケットボールライターとなる。NBAファイナル、NCAAファイナル4、世界選手権などビッグイベントの取材や執筆活動を行なっている。

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