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解任されたマッドン監督(左)
「監督はクビになる(fired)ため雇われる(hired)」。こんなメジャーで古くから伝わる格言を思い起こした。
現地時間6月7日、エンジェルスはジョー・マッドン監督を解雇した。フィリーズのジョー・ジラルディに次ぐ、今季2人目の監督解任だった。
その前日まで、マッドン率いるエンジェルスは単一シーズンでは球団史上ワールストタイの12連敗を喫していた(その連敗は最終的に14まで伸びた)。表面的に捉えると、連敗の責任として理解できなくもない。さすがに12連敗じゃあね、という訳だ。
しかし、まだシーズンは2/3以上残っていて、今シーズンから拡大されたプレーオフ進出最終枠のワイルドカード3位にまだ1.5ゲーム差だった。それどころか、27勝29敗という戦績は、開幕前それほど評価が高くなかったエンジェルスにとっては「こんなもの」かもしれない。敢えて監督が詰め腹を切らされるほどの低迷ではない。
12連敗はそこまでインパクトがあったということになるのだが、別の見方をすれば、もともとマッドンはHot Seat(危ない立場)にあったとも言える。
2019年シーズン終了後にエンジェルスから3年契約で迎え入れられたマッドンは、今季がその最終年だった。メジャーでは、フロント上層部からそれなりの評価を得ている監督は、最終年に入る前に契約延長を持ちかけられることが多いが、マッドンの場合はそうではなかったようだ。
それは、彼が指揮を執った2020年、2021年ともエンジェルスは負け越したからかもしれない。しかし、両年とも同球団は戦力的には不十分な編成で、不成績は「織り込み済み」と言えなくもない。
実はひとつ、見落とせない要素がある。マッドンをエンジェルスの監督として迎え入れた同球団GMはビリー・エプラー(現メッツGM)だったが、彼は2020年シーズン終了後に解任されている。そして、その後任に就いたのが、今回マッドンに引導を渡したペリー・ミナシアンだった。
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