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そんな中、先週も素晴らしい働きを見せたのが床田寛樹で、ヤクルト相手に6回1失点で2勝目を挙げ、防御率は0.90まで下がりました。この日の床田は、打撃でも3打席全てで送りバントを決め、2度の場面で自身を助ける得点につながっています。
リリーフ陣では、栗林良吏がプロ初の黒星を付けられた中日に対して、3つのアウト全てを三振でセーブを記録し、リベンジを果たしました。ヤクルト戦でもセーブシチュエーションではない登板で、1イニングをわずか6球で三者凡退と、昨年の安定感が戻ってきました。
リリーフでもう1人、名前を挙げておきたいのが島内颯太郎です。ヤクルト戦では2つの四球を与えたものの、村上宗隆、青木宣親ら打者3人を空振り三振に打ち取る爽快な投球。中日戦では、死球と申告敬遠で2人の走者を出してしまいましたが、代わった塹江敦也が抑え、2人揃って今季7試合無失点で左右のセットアッパーとしての地位を築きつつあります。
連続QSとは言え、勝ち試合の先発はいずれも6回で降板しており、その2試合で登板した島内を、強烈な印象を残した投球内容も含めて、投手の週間MVPに選出したいと思います。
前評判を覆す快進撃が続いていますが、先日、カープファンではない古い野球好きの人と話した際に、「カープが強いのは鯉のぼりの季節までだからね」と言われました。
いまだにそんなことを言う人がいるのか、と内心思ってしまいましたが、今週行われるゲーム差なしでの巨人との直接対決、ゴールデンウィーク前の「首位攻防戦」として注目したいと思います。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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