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2021年のさようなら「追悼編」ー 名将というよりチアリーダーのラソーダ / アーロン対王の本塁打競争 / ボール8個を掴むリチャードー
MLB nation by 豊浦 彰太郎J SPORTS
今年も多くの偉大な野球人が逝去した。その中から、以下の5人について個人的な思い出も含めて語りたい。
トミー・ラソーダ 1月7日没 享年93歳
I bleed Dodger Blue.(オレにはドジャーブルーの血が流れている)の名言で知られる。1976年終盤から足掛け21年ドジャースの監督を務め、リーグ優勝4回(77年、78年、81年、88年)、ワールドチャンピオン2回(81年、88年)、という実績を挙げた。日本では、野茂英雄がメジャーデビューした際の監督として知られている。
それでも、「名将」というステレオタイプな表現は、監督としての彼の本質を語るに適切ではない。むしろ、チアリーダーだろう。「監督にできることなど何もない。選手が気持ち良くプレーできるよう舞台を整えてあげるだけだ」これが信条だった。
このスタンスは、ラソーダが監督に就任した当時は結構画期的だった。前任のウォルター・オルストンも23年ドジャースの監督を務めたが、選手を支配する専制君主だった。いや、オルストンだけではない。それが当時のスタンダードだった。
それが、ラソーダ以降少しずつ変化した。ブレーブスで14季連続地区優勝のボビー・コックスも、ヤンキースで4度世界一のジョー・トーリも、ラソーダほどの華やかさはなかったが、基本的には同タイプだ。
近年、監督像はまた変わりつつある。専門スタッフによる分析データに基づいた起用方や戦術を理解し実践することが役割となった。ラソーダはあの時代にこそふさわしいリーダーだったのだ。
ドン・サットン 1月18日没 享年75歳
ラソーダ元監督が大往生した11日後、かつてのボスの後を追うように天に召された。
無類のタフネスを誇る右腕だった。史上14位の324勝(256敗)もさることながら、5,282.1投球回は同7位だ。200投球回以上をデビューからの15年連続を含み20度達成した。また、故障とは無縁で、先発登板の回避は現役最終年のただ1度のみ。また、引退後はブロードキャスターとしても長く活躍した。
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