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アレックス・ロドリゲス
現地時間11月22日、全米野球記者協会の投票による2022年殿堂入り候補者が発表された。MVP3度受賞のアレックス・ロドリゲスや通算541本塁打のデビッド・オティーズらが引退後5年を経て新たに名を連ねるが、2年連続で「選出なし」の可能性もある(別ルートの時代委員会経由では前回も選出あり)。今回は、実績以上にIntegrity(誠実さ、高潔さの意味で選出基準にも明記されている)対する判断が結果を左右すると予想されるからだ。
A−ロッド(ロドリゲス)の実績には非の打ち所がない。通算600本塁打&3000本安打(696本発&3115本)、シーズン40本塁打&40盗塁達(1998年に42本塁打&46盗塁)とも、史上4人しか成し遂げていないが、彼は両方でその1人だ。通常なら、大変名誉あるとされる資格を得る初年度での選出どころか、2019年のマリアーノ・リベラ(歴代最多652セーブ)に次ぐ史上2人目の満票獲得も期待されただろう。
しかし、A−ロッドには決定的とも言える汚点がある。2003年にMLBが非公式に行った薬物検査で陽性反応を示したことが2009年に明らかになり、2013年にはMLBの徹底的な調査により、禁止薬物を購入した咎で出場停止処分を宣告されたのだ。彼はこれを不服として提訴し対決は泥沼化したが、最終的には翌2014年フルシーズの出場停止を受け入れた。
ビッグ・パピ(オティーズ)もスネに傷を持つ。ミスターDHとしての実績は素晴らしく、そのリーダーシップ等により人気は抜群だが、彼もA−ロッド同様に2003年の検査での陽性反応がスッパ抜かれているのだ。
2003年時点では、MLBは本格的な薬物禁止規定と罰則を導入していない。したがって、オティーズは(この件に関してはA−ロッドも)違反を犯した訳ではない。しかし、それを言うなら殿堂入り投票が伸び悩んでいる通算762本塁打でMVP7回のバリー・ボンズ、通算354勝でサイ・ヤング賞7度のロジャー・クレメンス、通算609本塁打のサミー・ソーサらもあくまで「疑惑」だ。ビッグ・パピーはスルー、では理屈が通らない。
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