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澤村拓一擁するレッドソックス
レッドソックスの2021年シーズンが終わった。アップダウンの激しい近年の同球団を象徴するような1年だったと言えるだろう。
ワイルドカードから勝ち上がってきたレッドソックスと、西地区を制したアストロズの対戦となった今年のア・リーグ・チャンピオンシップシリーズは、4勝2敗でアストロズに凱歌が上がった。同球団は、ここ5年で3度目のワールドシリーズ進出となる。2017年の球団史上初の世界一は、その後発覚したサイン盗みスキャンダルですっかりミソをつけてしまっただけに、今回は汚名返上の絶好の機会だ。
一方、敗れたレッドソックスにとって、今季は正に波瀾万丈の1年だった。
開幕前の下馬評は、決して高くなかった。なにせ前年は、全てが例外的だった60試合の短縮シーズンだったとは言え、あの弱体オリオールズの後塵すら拝し地区最下位に沈んだからだ。2018年には全球団中最多で球団史上最多の108勝を挙げ、ワールドシリーズでもドジャースを制し、21世紀では全球団最多の4度目の世界一に輝いていただけに、この凋落ぶりは衝撃的だった。
しかし、同じくサイン盗み事件による1年間の処分が明け復帰した2018年世界一監督のアレックス・コーラ率いるレッドソックスは、開幕から突っ走り、なんと地区首位でオールスターブレイクを迎えた。しかし、後半は息切れした。7月末のトレードデッドラインで先発投手陣に有効な補強を展開できなかったのも影響したと思われるが、8月は12勝16敗と失速し、コンスタントに勝ち星を積み上げるレイズ、この月に13連勝を記録したヤンキースに抜かれた。加えて、9月には複数の主力に新型コロナウィルス感染者が発生し、戦力は低下した。
しかし、今季最終戦でようやくポストシーズン進出を決めると、ワイルドカードゲームで宿敵ヤンキースを下した。そして、地区シリーズでは、レギュラーシーズンで煮湯を呑まされたレイズに3勝1敗で勝利した。ワールドシリーズには手が届かなかったが、期待以上の成果を上げたシーズンだった。
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