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9回に勝ち越しの二塁打を放った宮崎が3安打2打点の活躍。途中出場で守備から9回に打席に立った知野直人が、結果的に決勝点となる貴重なタイムリー三塁打を放った。佐野がタイムリーで1打点、柴田竜拓、戸柱恭孝がマルチ安打を記録した。
投手陣は先発した宮國椋丞が6回4失点。1イニングを無失点の伊勢がホールド、エスコバーが勝ち星をマークし、9回に1死も取れずに降板した山崎康晃に代わって登板した三嶋が9月14日以来となるセーブを記録した。
首位相手に勝ち越し、勢い勇んで臨んだ巨人との3連戦は、厳しい現実を突きつけられる結果となった。初戦でロースコアの接戦を落とし、優勝の可能性が完全消滅した。
先発のロメロが粘りの投球を見せたが、リードを守れず6回2失点で勝ち負けなしに終わった。砂田が勝ち越しを許した後、平田が1イニングを無失点に抑えたが、打線が巨人のリリーフ陣に封じられた。ソトが先制点となるタイムリー二塁打、佐野が14号本塁打を含む2安打1打点。牧も1安打を放ったが、7回の勝ち越しのチャンスでは併殺打に倒れた。
連夜の1点差負けで2年ぶりとなる巨人戦負け越しが決定した第2戦は、スタメンマスクの戸柱が3安打1打点、守っては盗塁阻止など攻守に活躍。佐野が一時は同点となる2点タイムリー、1番でスタメンの楠本泰史、宮崎、柴田が二塁打を放ち、リリーフ登板から打席に入った櫻井周斗も安打を記録するなど、相手を上回る10安打を記録したが、残塁も多かった。投手陣は3番手以降の三上朋也、ピープルズ、平田が無失点に抑えたが、打線が5回以降、得点を奪えなかった。
第3戦は6連敗こそ免れたが、終盤のリードをリリーフ陣が守れず引き分け。先発した今永昇太が2本のソロ本塁打を打たれたが、7回を投げて被安打3、13奪三振の快投で勝ち投手の権利を得てマウンドを降りた。8回はエスコバーが無失点に抑えたが、9回に暫定守護神の伊勢が2死から痛打を浴びて1点を守れなかった。打撃陣は、佐野が先制打、宮崎が追加点となるソロ本塁打で1打点ずつ。ソトがマルチ安打を記録した。
125試合目の優勝消滅は12球団最速。開幕直後の惨状を考えると、頑張った方だとも思いたいが、やはりこの現実は悔しいもの。そう遠くはない日に、次に来るのは“クライマックスシリーズ進出の可能性消滅”だろう。
そうなるとあとは個人記録、現状だと牧の新人王と桑原の首位打者ぐらいか。楽しみはどんどん減っていくが、これまでもただ、ずっと前だけを見て来た。残りは16試合。ベイスターズは、それでも歩いていく。
◆先週のベイスターズ
28日(火)● 0-4 ヤクルト
29日(水)◯ 7-5 ヤクルト
30日(木)◯ 7-6 ヤクルト
1日(金)● 2-3 巨人
2日(土)● 4-5 巨人
3日(日)△ 3-3 巨人
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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