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野球 コラム 2021年8月16日

「フィールド・オブ・ドリームス・ゲーム」が問いかけるベースボールへの愛と郷愁

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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原作では、隠遁状態の作家JD・サリンジャー(映画では架空の人物テレンス・マン)がこう語る。「長い年月、まったく変わらないもののひとつが野球だった」(永井淳訳・文藝春秋刊)。確かに野球は世代を超えて愛されるold ball gameだが、実は、必ずしも不変ではない。MLBはその1世紀半の歴史の中で、ルールも、戦術も、運営も著しく変化し、ビジネス規模は別次元の域までに拡大した。

だからこそ、ベースボール本来の魅力を見直したいと思う。原作の中でトウモロコシ畑から出てきたシューレス・ジョーがベースボールへの愛を語る場面がある。「あんたはバットかボールに顔を近づけたことがあるかい。ニスの匂い、革の匂い。(中略)そういうものについて話すだけで、生まれてはじめてダブル・ヘッダーを見に行く子供みたいに体じゅうが疼きだすんだ」。ぼくは映画での涙を誘うラストシーン(実は原作にはない)以上に、この場面が好きだ。

恐らく数年のうちに、MLBはストライク・ボール判定において球審がAI判定を参照する通称「ロボ審判」を導入するだろう。ベースボールは今までも、これからも変わり続けるだけに、この映画と原作が語りかけるその変わらぬ部分の魅力を再認識することはとても大切だと思う。

文:豊浦彰太郎

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豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

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