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大谷翔平
「極端な三振率の高騰」「歴史的低打率」「粘着物質による不正投球」、今季のMLB前半戦の話題は多々あるが、やはりもっとも注目を集めたのは大谷翔平の投打にわたる大活躍と言うべきだろう。
現在、日米のメディアとファンの関心は「本塁打王獲得なるか」であり、さらにその先の「60本超えの可能性」に集中している。
「60本」というのは特別な数字だ。メジャーの歴史でシーズン60本を達成した選手は5人しかいない。ベーブ・ルース(27年60本)、ロジャー・マリス(61年61本)、マーク・マグワイア(98年70本、99年65本)、サミー・ソーサ(98年66本、99年63本、01年64本)、バリー・ボンズ(01年73本)だ。しかし、マグワイア、ソーサ、ボンズに関しては能力増強目的でステロイドなどの薬物を使用したことが確実視されている。いわば、自力で達成したのはルースとマリスの2人だけなのだから、大谷の60本を目指す戦いに注目が集まるのは当然だ。現地7月20日終了時点で34本塁打。チームは94試合を消化しており、現在59本ペースだ。
しかし、個人的にそれと同じくらい、いやそれ以上に注目しているのは、果たしてこのまま故障に見舞われることなく、二刀流でシーズンを全うできるのか、ということだ。
大谷のプロキャリアを通じて、これまで故障なくシーズンを過ごし、投打の両方で周囲を唸らせる成績を残したのは、NPBでMVPに選出された2016年だけだ(「だけ」という表現は適切ではないかもしれない。一度でもあること自体が驚異だからだ)。そして、その後はNPB、MLB を通じ、4年連続で大きな故障に見舞われている。
今季の大谷は、成績もさることながら、そのタフネスぶりにも驚かされる。ここまでチームの94試合中92試合!に出場し、うち87試合がスタメンなのだ。その内訳はDHで73試合、投手として14試合で、その14先発登板のうち、11度はリアル二刀流である。俄かファン(失礼!)は、彼の鉄人ぶりを賞賛するだけかもしれないが、決して故障とは無縁の選手ではないだけにこのあたりは大いに心配だ。特に、先発登板前後の試合に関しては、もっと配慮が必要ではないか。
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