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野球 コラム 2021年6月8日

【ハイライト動画あり】ミラクル和歌山 九州産業大学 vs. 和歌山大学 全日本大学野球選手権

野球好きコラム by 岩瀬 孝文
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和歌山大瀬古投手

和歌山大の瀬古投手

国立大の和歌山大は、いわゆるノーサイン野球といわれていた。
出塁したランナーと打者との呼吸にその秘密があり無造作に顔やヘルメットを触り、ときにそれはフェイクの可能性すらある。とはいえ、基本的には伸びやかに打たせる野球をする。
和歌山大の大原監督は、ただ悠然とベンチに構えて、たまにアドバイスをおくるスタンス。
途中、満塁で得点のチャンスを迎えたが、そこでも選手の躍動に委ねた。

本塁打とサヨナラヒットの柏田選手

本塁打とサヨナラヒットの柏田選手

試合は前半に1点ずつ3点をあげた和歌山大に、後半にしっかりと追いついた九州産大。いよいよ9回3-3でタイブレイクに突入。
ここ一番、タイブレイクで1点をリードされた10回裏、和歌山大はここぞとばかりに攻勢に出る。ランナー1-2塁で代打を送り、1塁ランナーも変えた。さらにダブルスチールを仕掛けて2塁ランナーが3塁セーフ。この揺さぶりが功を奏した。
そこで好調4回に本塁打を放っている7番柏田外野手(和歌山商)がセカンドへとヒット、本塁クロスプレイで2塁ランナーも生還、ついにサヨナラ勝ちを収めた。

先発の荒木雅(海星)と注目の楠本投手(鎮西学院)、渡辺投手(北九州)と145km前後を投げる速球投手を揃えたが、最後に押し返されてしまった九州産大だった。

笑顔の和歌山大白石選手と宮浦投手

笑顔の和歌山大白石選手と宮浦投手

和歌山大の守備は固く、序盤から6-4-3のダブルプレーを連発、また外野も広範囲に打球を追い、それらがチームにすこぶる良いリズムを生み出していた。

「国立大学の私たちが、この聖地神宮球場であの慶大と対戦できるなんて、それはもう、うれしいことです」
勝利して感無量ですとの印象ながら、案外、この勝利の勢いを持って挑むシード校の慶大戦。それこそ無欲で思い切りやるだけだが、そこになにかの秘策もありそうな大原監督だ。

全日本大学野球選手権2021

【ハイライト】九州産業大学 vs. 和歌山大学

タイブレイクの接戦をものにした和歌山大は、技巧派の瀬古投手(水口東)と宮浦投手(小松大谷)の両左腕が、ていねいにボールを散らしながら好投をみせていた。
そして主将のリードオフマン安田捕手(駒大苫小牧)、鋭いスローイングと判断でアウトを稼いだ白石遊撃手(佐久長聖)、さらに好守備を見せて盛り上げたレフト金谷外野手(創志学園)など、プレイしながらすべての選手に笑顔が見られる。それもじつに楽しそうに。

和歌山大タイブレイクを制す

和歌山大タイブレイクを制す

もちろん、こういう野球があってもいい。
その新しい機軸で歩むミラクルな和歌山大、快進撃が始まった。

文・写真/岩瀬孝文

岩瀬 孝文

ノルディックスキージャンプの取材撮影は28年以上、冬季五輪は連続5回、世界選手権は連続12回の現地入り取材。スキー月刊誌編集長を経て、2007札幌世界選手権では組織委員会でメディアフォトコーディネーターを務めた。 シーズンに数度J SPORTS FIS W杯スキージャンプに解説者として登場。『冬はスキー夏は野球』という雪国のアスリートモードにあり、甲子園の高校野球や大学野球をつぶさに現場取材にあたっている。

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