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野手では、宮崎敏郎が第1打席から2打席連続タイムリーで2打点の活躍。今季はリードオフマンとして復活した桑原将志は4安打と大当たりで、2得点と1番の役割を果たした。
翌日の試合では、6回に牧がレフトスタンドに豪快な3ランでプロ初本塁打を記録。投手陣では、5回で降板したプロ初先発の入江大生の後を継いだ池谷、平田真吾、伊勢大夢、砂田が6回から1イニングずつを無失点に抑えた。
ノーガードの打ち合いとなった第3戦は、スタメン出場した牧、佐野恵太、関根大気、宮崎、大和の5選手がマルチ安打を記録。宮崎、大和が2本のタイムリーを放ち、佐野は第1打席から四球を含めて4打席連続で出塁するなど、15安打11得点と活発な打線でもっとも光ったのが自身4試合連続マルチ安打となった牧。
1回の三塁打から、2回はタイムリー二塁打、5回にはセカンドへの内野安打で、本塁打が出ればサイクル安打と大暴れだった。
3カード目の広島戦では、初戦に先発した濱口遥大が6回2失点と好投。左足の張りで無念の交代となったが、闘志を全面に出した熱投に三浦監督も「(3回6失点で降板した)開幕戦の悔しさをマウンドでぶつけてくれた。気持ちの入った投球だった」と評価した。
第2戦では、またもルーキーの牧が追撃の2点タイムリーと孤軍奮闘の活躍。投手では、前日一軍に昇格した三上朋也が、連投で2イニングを無失点に抑えて復調をアピールした。
そして迎えた初勝利の試合では、今季初めてスタメンで起用した神里和毅が先制本塁打を放ち、倉本も2安打と活躍。初回の広島の攻撃では、先頭打者の田中広輔の内野安打判定をリクエストでアウトに覆して先発した阪口皓亮を救うなど、監督采配も大きな勝因となった。
こうして振り返ってみると、勝ちに届かなかった試合でも、ルーキー牧や移籍の田中俊など新戦力が活躍し、桑原、関根、三上の復活組の働きも目立った。佐野、宮崎ら主軸も好調で、どの試合も、いい意味でも悪い意味でも、紙一重の展開が多かった。
そういえば、ラミレス前監督は「連敗の後には必ず連勝が来るもの」といつも言っていた。外国人選手も全員来日し、あと少し辛抱すれば、ベストメンバーが組める時も、そう遠くはない。
横浜スタジアムでの試合前、スコアボードの大型ビジョンに流される球団歌に登場する選手たちの表情は、みんな明るく生き生きしている(当たり前だ)。新監督も、最後に登場してカッコよく決め台詞で締めている。船出は最悪だったが、ベイスターズの力はこんなものではないはずだ。
底力、ヨロシク。シーズンはまだ、始まったばかりだ。
文:大久保泰伸
大久保泰伸
フリーライター、編集者。1969年広島市生まれ、現在は神奈川県在住。出版社勤務を経て、20世紀の終わり頃に独立。別冊宝島野球シリーズの執筆、編集や広島などのOBの著書の編集協力などを行い、同社のプロ野球選手名鑑は創刊時から現在まで関わる。記者活動は2009年にベースボール・タイムズ紙の広島担当でスタートし、15年から野球専門サイトのフルカウントで広島、18年からはDeNA担当も兼務した。
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