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日本製鉄かずさマジックから補強されている右腕・橘朋晃は球速こそ130キロ台だが、左右に動く速球、フォークを駆使する曲者。ここまで2試合に登板し、インパクトのある内容を見せている。
打線は注目の外野手・吉田叡生が1番打者として打率.5割を記録。2番・津田翔希は打率.375、3番・井上彰吾は打率.429・7打点、4番・佐藤竜彦も打率.385・4打点と上位打線は全員が当たっている。また、千野啓二郎は3試合の通算打率が.600という「恐怖の9番打者」だ。
◆日本新薬(京都市)vs. NTT東日本(東京都)
18時開始予定の準決勝第2試合は日本新薬(京都市)とNTT東日本(東京都)の対戦に決まった。
日本新薬は26年ぶり2度目のベスト4入りだ。松村聡新監督のもと、TDK(2○1)、三菱重工広島(5○2)、ホンダ熊本(2○1)を退けてしぶとく勝ち上がってきた。ホンダ熊本との準々決勝は今大会初登板のエース榎田宏樹が先発し好投。ただし、バント処理で足を傷めて降板しており、状態に不安が残る。
とはいえ投手陣は1回戦からいずれも継投でしのぎ、どの試合も相手を2得点以下に封じてきた。特に小松貴志は3試合で5回3分の2を投げ、ここまで自責点ゼロ。小松と西川大地、岩本喜照の右腕3名は強力で、不安があるとすれば疲労だろう。
打線は4番・福永裕基が打率.333、2本塁打、4打点と好調。準々決勝では好守も見せていた。また、法政大学出身のルーキー1番・舩曳海が、準々決勝の9回裏にサヨナラ安打を放つなど乗っている。打線のもうひと踏ん張りが、史上最高成績の条件か。
NTT東日本はJR北海道硬式野球クラブ戦(6○1)、ヤマハ戦(11○1/7回コールド)、四国銀行戦(8○0)と快勝の連続で勝ち上がっている。1回戦と準々決勝は右腕・堀誠、2回戦は技巧派左腕・沼田優雅が先発しているが、準決勝に登板すると投球間隔が短くなる。
ただ、2回戦で好投した右腕・熊谷拓也のように長いイニングを投げられる投手が他におり、クローザーの大竹飛鳥も今大会の登板はまだ1イニングだけ。また、西武ドラフト2位の左腕・佐々木健も準々決勝で「慣らし運転」を済ませている。したがって投手陣のやりくりに不安はない。
打線も準々決勝の1番・向山基生、4番・火ノ浦明正、5番・笹川晃平らレギュラーの過半が打率.4割以上を記録する好調ぶり。2017年以来の優勝に向けて、視界良好だ。
文:大島和人
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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