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野球 コラム 2020年7月15日

60試合制だけじゃない「今季のMLBはここが違う」

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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MLBはようやく7月23日に開幕する。難航を極めた労使交渉はなんとか片付いたが、ここに来て選手や関係者に感染者が多く出ており、健康管理の観点から今季のプレーを見送る選手も少なくない(正当な権利として認められている)。カナダのトロントに本拠を置くブルージェイズは、公式戦開催の許可が政府からまだ下りていない。不安を数え上げるとキリがないが、それでも今季は始まる。そこで、今シーズンの特異な運営フォーマットについて確認しておこう。


イレギュラーだらけの60試合制

移動に費やす時間をできるだけ少なくするため、今季は同地区としか戦わない。例えば、ア・リーグ東地区の5球団は、同リーグ同地区の4球団とそれぞれ10度対戦し計40試合、そして異リーグ同地区のナ・リーグ東地区5球団と計20試合を戦う。かと言って、こちらは4試合ずつではない。ヤンキース対メッツのサブウェイシリーズ、ドジャース対エンジェルスのフリーウェイシリーズなどのご当地対決がホーム&アウェイ各3試合で計6試合と優遇されている反面、3試合のみの対戦もある。やはり、公平を期すよりビジネスの旨みを手放さないことの方が優先なのだ。

ご存知の通り、メジャーの地区分けは便宜上の部分もあり、東地区と中地区は地理的には一部クロスオーバーしている(*1)。したがって、今回の形式で全ての球団の移動が最小化されている訳ではないが、そこは致し方ないと考えるべきだろう。

もうひとつユニークなことに、同リーグ同士のマッチアップであっても、計10試合がホーム5試合、アウェイ5試合という組み合わせは皆無で、6試合&4試合(またはその逆)か、7試合&3試合(またはその逆)なのだ。地元開催の優位性の大部分は地元ファンの応援・歓声による後押しなのだけれど、当面は無観客開催なのでこれも関係ないということだろうか。最終的には同リーグとはホームで20試合、アウェイで20試合と同数で、これは対異リーグ球団でも同様だが、個別の対戦内訳の違いが明暗を分けるかもしれない。

ワイルドカードは中地区有利?

今季のポストシーズンのフォーマットに関しては、公式戦試合数や選手サラリーの支払い基準に関する労使交渉の中で、拡大運営が盛んに論じられた。公式戦での収益不足を本来ドル箱のポストシーズン拡大で補おうというものだった。しかし、紆余曲折を経て、結局従来通りの各リーグ5球団の計10球団制に落ち着いた。したがって、ワイルドカードも各リーグ2球団で、地区の垣根を越えて、地区優勝球団を除く勝率上位2球団がその資格を得る。そうなると、今季は同地区球団としか対戦しないため、両リーグとも東地区球団は苦しい。ア・リーグ東地区は伝統的に強豪がひしめくし、ナ・リーグ東地区もマーリンズ以外は全て優勝候補と言えるからだ。

その点、中地区は絶対的な強豪がなく、タイガース、ロイヤルズ、パイレーツなど再建過程で戦力的に大きく劣る球団が存在する。東地区のコンテンダーが星の潰し合いを繰り広げる中で、ちゃっかり?勝率を稼いだ意外な中地区球団がワイルドカードをさらう展開は十分考えられる。これを60試合の短期決戦の今季限定運営と割り切れば、ファンとしては意外な展開も期待でき、楽しみではある。しかし、全く異なったチームとしか対戦していない異なる地区の球団同士を勝率で比較し、ワイルドカードを決定する矛盾は指摘しておかねばならないだろう。

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