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野球 コラム 2020年4月16日

「新型コロナ」で「ブラックソックス事件」発端のホテルが廃業

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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部屋の窓からフェンウェイがすぐそこに望めた

部屋の窓からフェンウェイがすぐそこに望めた


その1919年のシーズンも終盤の9月18日、ア・リーグ首位を快走しワールドシリーズ進出が確実視されていたホワイトソックス(当時は1リーグ1地区8球団制)は、レッドソックス戦のためこのホテルに逗留していた。そして、ガンディルが自分の部屋にブックメーカーのジョセフ・サリバンを招き、「商談」が持たれたという(このことを記したプラークは、ホテルのロビーに掲げられていた)。ガンディルは最初は8万ドルを要求し、その後10万ドルに引き上げたらしい。そして、シリーズではホワイトソックスは3勝5敗で敗退した。

この事件の伝えられ方には、少なからずバイアスが掛かっているように思える。一般的には、ホワイトソックス球団の吝嗇なオーナーであるチャールズ・コミスキーが不当に年俸を低く抑えており、それに嫌気が差した選手にギャンブラーが近寄った、というにが通説になっている。あたかも、スキャンダルが突発的に発生したかのようだ。しかし、そんなことはあり得ず、それ以前から球界とギャンブラーの間には抜き差しならぬ関係があった、このようなスキャンダルが発生する素地はあった、と考えるべきだろう。

このホテルは1897年オープンで、1920年代まではこのエリアで最も大きな建物だったらしい。1950年代にはホテル内のジャズクラブで、ルイ・アームストロング、ビリー・ホリデイ、サラ・ボーンらのレジェンドが演奏し、歌ったという。

バックミンスターも含め、ボストンでは宿泊需要は供給量を上回っており、今後数年に多くのホテルの竣工が予定されていた。そのような状況下、突然襲ってきた新型コロナウィルス禍でどこのホテルも一切の予約をキャンセルせざるを得なくなったのだ。ホテル側の公式ステートメントでは、「再開はない」とされているが、できればどこかの資本が買い取り再び営業して欲しいと思う。

文:豊浦彰太郎

代替画像

豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

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