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手ごたえや喜びも感じる1年だった。首脳陣の心を射止めたのは肩の強さだった。セ・リーグでも加藤の肩の強さはトップクラスだ。
阪神の近本はルーキーながら36盗塁で盗塁王に輝いた。8月28日、甲子園球場。先発は故障から復帰後、白星を目指す小笠原慎之介。1塁ランナーは近本。バッターは福留。
小笠原が投じた決め球はチェンジアップだった。福留のバットは空を切り三振。ランナー近本はおそらく球種を読んでいたのだろう。2塁へスタートを切ったが加藤の肩が上回った。投げた小笠原が目を丸くし、加藤に拍手を送った。
小笠原は「興奮しましたね。スタート切ったのは見えましたが、チェンジアップだったんで間に合わないと思いましたね。まさか刺してくれるとは。びっくりしました」と振り返る。
加藤は「近本に関しては正直むちゃくちゃ意識していました。速いのはわかっているし、だからこそ盗塁は決められたくないと思っていました。あの甲子園の盗塁死は今年一番うれしいプレーです」と話した。
シーズンを戦う上でキャッチャーの肉体疲労はすさまじい。1軍経験の浅い加藤にもその疲労がのしかかる。7月初旬、2軍行きが告げられた。
加藤は「実はあの時、腰を痛めたんです。まあ、疲労もあったと思いますが。中村バッテリーコーチからも夏場に練習量を減らす。今までの量をこなすのは無理だ。体が限界にきていると言われました」。
「自分は気が張っていたんで分からなかったんですが、コーチにはそう映っているんだなと。スタミナの無さを痛感しましたね」と話した。
沖縄秋季キャンプ。中村バッテリーコーチは加藤にこう質問した。
「技術と体力、今欲しいのはどっちだ?」
加藤は即答した。
「体力です。まだシーズン戦い抜く身体じゃない。体力をつけないと技術も身に付きません」
11月の沖縄。加藤は連日泥にまみれた。グラウンドに座り込むほど連日右へ左へノックを浴びた。
加藤は「その練習に意味があるか無いかを考えるより、きつく苦しい事をして身体も心も強くなりたかったんです。それが僕には一番足りないから」
年が明ければ大島洋平と共に大阪での自主トレが始まる。正捕手と呼ばれるために。今年の実りを手に加藤匠馬は来年も泥にまみれる。
文/写真:森貴俊
森 貴俊
1976年愛知県出身。東海ラジオ放送スポーツアナウンサー。ドラゴンズ戦中心のガッツナイターをはじめJリーグ、マラソン等スポーツ実況を担当。原点回帰を胸に、再び強き竜の到来を熱望する43歳。日々体力の衰えを感じるがドラゴンズへの喜怒哀楽は衰え知らず。今年もマイクの前で本気で泣いて怒って笑います!
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