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野球 コラム 2019年12月2日

【楽天好き】「18年間お疲れさまでした」。今江敏晃の幸せな引退セレモニー

野球好きコラム by 松山 ようこ
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◆サプライズに涙腺が緩んだ今江、今後は「社会に貢献できる選手をつくっていきたい」

セレモニーを特別なものにしたのは、この父子対決だけではない。これまでの軌跡をまとめた映像のほか、今江にとって特別な人たちからのビデオメッセージも。

今江が個人として取り組んできた社会福祉活動で、支援してきた野球チームや社会福祉施設の人々からのメッセージだ。

「夏井くすの木スポーツ少年団です。今江選手、18年間、お疲れさまでした。東日本大震災以降、毎年いわき市に来て、たくさんの夢や希望を与えてくれて、本当にありがとうございました。第2の野球人生もがんばってください。今江選手は、僕たちのヒーローだ!!!」

NPO法人ミルフィーユ 小児がんフロンティアで知り合った石川ジェロームくん(15歳)は、「今江選手へ、引退、ご苦労さまです。そして、コーチ就任おめでとうございます」。

「最初に会ったのは6年前で、その頃から今江選手のことが大好きです。ぼくは3年前に中学受験をしましたが、行きたかった学校に行けませんでした。今年は中学3年生なので、高校受験でリベンジします」。

「がんばっている今江選手を見て、ぼくもがんばろうと思っています。これからもがんばってください。応援しています」と画面に語りかけた。

4グループほどのメッセージが読み上げられたが、他にも東北各地、千葉、群馬など、たくさんの野球教室や野球部の子どもたち、児童福祉施設からメッセージが届けられた。

メッセージを見ていた今江の目の縁は、みるみると赤くなっていった。「あれもまったく知りませんでした。あの後にスピーチがあるのに、泣きそうになってました。気持ちがもうグラグラ揺さぶられて(笑)。でも、本当に嬉しかったです」と振り返る。

写真:多くの選手、関係者から送られた花

今後は指導者として、キャリアを歩む。「これまではサポートしてもらったけれど、逆にサポートする側になる。勉強しながらですね」。

「社会福祉にかかわった人たちからメッセージをいただきましたが、やはり、野球選手である前に、1人の人間なので、社会に貢献できる選手を育てていきたいと思っています」。

社会福祉活動も「1度はじめたら、最後までやり通す」のが今江の主義。「これからも関係は変わらないですし、オフはもう練習やトレーニングをしなくてもいい。そのぶん、時間ができるわけです。だから、むしろもっとできるんじゃないかと考えています」。

課題は、「選手でなくなって、本当に影響力を与えられるかどうか。プレーで勇気や夢を与える形ではなくなるし、メディアに出る機会もなくなる。いろいろと考えて模索していきたいです」。

たくさんの人に夢を与えて、支援の輪を広げてきたのだ。「1度はじめたら、最後までやり通す」今江と彼らとの信頼関係も、それぞれ最後まで変わらず続く。

これからも、野球人だけではなく、多くの人に愛される人として、今江さんの活躍を心から応援したい。

文/写真:松山ようこ

松山ようこ

松山 ようこ

フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo

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