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ただ、「届きそうで届かない」のがこの日のアメリカだった。7回には一死無走者から20歳のトッププロスペクトでもある3番・ジョーダン・アデルがソロ本塁打を放ち、リードは再び2点差に広がった。
侍ジャパンは今日も終盤の粘りを見せた。まず7回に一死2・3塁のチャンスがあり、ここは途中出場の2番・山田哲人、3番・近藤健介が凡退。
さらに8回は4番・鈴木誠也が無死から2塁打で出塁し、6番・浅村栄斗は一死3塁からレフト前にタイムリー安打。
代走・周東佑京が盗塁、暴投で三塁に進み、11日のオーストラリア戦に続いて「足のプレッシャー」でアメリカバッテリーを追い込んだ。ただし、あと一打が出なかった。
9回裏には2013年からオリックスでプレーするブランドン・ディクソンが登板。最終回の攻撃は、日本をよく知る彼に封じられて試合は決着した。
侍ジャパンは3-4でアメリカに屈し、決勝進出に向けてスーパーラウンドの残り2試合は「もう負けられない状況」となった。
試合後にスコット・ブローシャス監督が明かしたように、アメリカは侍ジャパンをしっかり研究し、投手陣はシンカー系の球種で内野ゴロを打たせる狙いを遂行していた。
メジャーリーガーこそ不在だが、経験豊富なベテランと若手の有望株が融合。優勝、オリンピック出場権獲得といった目的のために「チーム」で戦った彼らがこの試合に関しては一枚上だった。
一方で4番・鈴木誠也は連続試合本塁打が「3」で止まり、打点もなかったが、3打数で長打2本と引き続いて好調だ。
また、稲葉篤紀監督が万遍なく選手に出場機会を与えていることも、今大会の終盤戦や来年の東京オリンピックにつながるだろう。
文:大島和人
2019WBSC世界野球 プレミア12 スーパーラウンド
【ハイライト】日本 vs. アメリカ
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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