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【都市対抗野球2019】
JFE東日本 vs.トヨタ自動車 ハイライト(第13日)
JFE東日本はここで切り札の須田幸太を起用する。須田は2009年の都市対抗で補強選手として、Hondaの胴上げ投手となった経歴を持つベテラン。
2011年から18年まで横浜DeNAベイスターズでプレーし、プロで一軍通算166試合のキャリアも持つ32歳だ。須田は5番・多木裕史を三ゴロに打ち取り、このピンチを切り抜けた。
トヨタ自動車も7回裏から「平成の社会人野球」を象徴する右腕・佐竹功年を起用。終盤は2人の投げ合いとなった。
「あと3人」で迎えた9回表のマウンドに上がったのは、もちろん須田幸太。須田は9番・辰巳智大、1番・逢澤竣介、2番・小河諒を三者三振に打ち取る最高の締めで、10年ぶりの胴上げ投手になった。
JFE東日本は相手の4投手から先発全員の12安打を記録し、6-4でトヨタ自動車を撃破。初優勝を遂げている。
また、各賞の受賞者は以下のようになった。
・橋戸賞(最優秀選手賞):須田幸太投手(JFE東日本)
・久慈賞(敢闘賞):佐竹功年投手(トヨタ自動車)
・若獅子賞(新人賞):今川優馬外野手(JFE東日本)、峯本匠内野手(JFE東日本)、岡直人投手(日立製作所)
・首位打者賞:石川桜太外野手(川崎市・東芝)打率.429
・打撃賞 沓掛祥和内野手(トヨタ自動車)
JFE東日本は大卒新人が多いチームだが、その中でもこの4人が活躍を見せた。
・本田健一郎:先発3試合/投球回数15回3分の2/防御率1.72
・今川優馬:21打数8安打(打率.381)/1本塁打/4打点
・峯本匠:17打数7安打(打率.421)/3打点
・平山快:20打数7安打(打率.350)/2打点
一方で大会の「主役」はやはり須田幸太。1回戦から準々決勝のすべてで勝ち投手になり、決勝戦も好リリーフを見せた。
5試合で4勝1セーブという結果は抜群だが、投球成績はさらに驚異的だった。合計14イニングを被安打3で投げ切り、自責点はわずか1。イニングを上回る17奪三振を記録した一方で、四死球は1つも与えていない。
社会人野球の舞台で「元プロ」がプレーする例は増えた。だとしても、都市対抗は元プロならば通用するという甘い世界ではない。
しかし、須田が勝負所で見せた投球は、カテゴリーを超越した迫力を感じるものだった。
準決勝、決勝でJFE東日本の応援席から聞こえてきた須田登板時の大歓声は、彼がファンの心をつかんだ証明だった。
文:大島和人
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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