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【都市対抗野球2019】
トヨタ自動車 vs. 日立製作所 ハイライト(第12日 第2試合)
準決勝第2試合は日立製作所(日立市)とトヨタ自動車(豊田市)の対戦だった。
トヨタ自動車は1回裏、6番・西潟栄樹が二死満塁から右前タイムリー安打を放ち2点を先制。この大会初スタメンの西潟が起用に応える。
3回裏にも二死1塁から5番・多木裕史が右中間フェンス直撃のタイムリー二塁打。6番・西潟栄樹もセンターオーバーのタイムリー二塁打で、リードを4点に拡げる。
ただし、3回の攻撃でトヨタ自動車は、勝負強さを見せていた3番・樺澤健が死球を受け、直後の守備から交代するアクシデントも起こった。
日立製作所は4回表、3番・森下翔平が無死2塁から三塁線を破るタイムリー二塁打。5番・岡崎啓介も2ラン本塁打を放ち、3-4と1点差に迫る。
しかし二死1塁から、8番・中園雄一郎の二塁打で一塁走者が本塁を突いた場面はタッチアウト。この回の攻撃は3点どまりだった。
日立製作所は5回表にも4番・田中政則が二死1・2塁からセンター前にタイムリー安打。4-4の同点に追いついたが、送球の間に二塁を突いた田中はやはりタッチアウトでチャンスを拡げられない。
トヨタ自動車は6回裏、5番・多木裕史がライトにソロ本塁打を放って再び勝ち越す。今大会は中継ぎとして好投を見せている川尻一旗がこの試合も好投し、4イニングを1失点で「佐竹大先生」の出番が訪れる。
35歳のレジェンド右腕・佐竹功年が9回を三者凡退で抑えて、トヨタ自動車が5-4と接戦を制している。第87回大会以来3年ぶりの優勝まで「あと1勝」だ。
日立製作所は3試合連続で本塁打を放っていた大塚直人が、この日は3打数無安打と不発。
トヨタ自動車は多木裕史が打率.438、2本塁打、3打点と好調で、橋戸賞の有力候補となっている。佐竹も第87回大会以来の橋戸賞があり得る好投を続けている。
◆試合結果
日立製作所 |0 0 0 3 1 0 0 0 0|4
トヨタ自動車|2 0 2 0 0 1 0 0 X|5
25日の決勝はJFE東日本とトヨタ自動車の楽しみな対決だ。今大会は傑出したリリーフを擁する2チームが勝ち上がっている。
JFE東日本は須田幸太が4勝を挙げている。トヨタ自動車も中継ぎの川尻一旗が3勝、佐竹功年が1勝を記録している。サヨナラ勝ちが多い、リリーフに勝ちがつくというのはそれだけスリリングな展開が多い証明だろう。
早稲田大OBの活躍も今大会の特徴だ。決勝で相まみえるJFE東日本の須田幸太、松本啓二朗、トヨタ自動車の細山田武史は早大の同級生。
トヨタ自動車の佐竹はその3つ先輩に当たる。神宮球場で活躍した選手たちが、10年以上の時を経て東京ドームで躍動している。
また、今大会は選手、指導者とも「元プロ」の活躍が目立っている。横浜DeNAベイスターズで活躍した経験を持つ須田が橋戸賞を獲得すれば、プロ野球経験者としては1961年の柳川事件以来初めての受賞だ。
文:大島和人
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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