【中日好き】石橋康太、1年生の船出

高校通算57本の長打力も魅力だ。第3打席。石橋のスタメンデビューを竜の神様も祝った。ライト線ぎりぎりに落ちるタイムリー3ベースヒット。ドラゴンズはリードを広げ勝利を一気に手繰り寄せた。

3塁ベース上で石橋の最高の笑顔がこぼれた。同時に1塁ドラゴンズベンチでは先輩達がお祭り騒ぎで喜んだ。キャプテンの高橋周平はベンチから身を乗り出し石橋に祝福を送った。

石橋は「自分の失点を取り返すって気持ちで打ちました。すごく沢山のファンの皆さんに応援されているのが、改めて分かりました。なによりベンチを見たら先輩達が喜んでくれていたのが自分の中では嬉しかったです」と話した。

2日後、石橋は仙台にいた。フレッシュオールスターゲームに出場、チームメイトの先発梅津の好投を引き出し、自らレフトへ2点タイムリーを放った。千葉県から駆け付けたご両親へ最高の親孝行ができた。

自分が休みの日でも、嫌な顔ひとつせず投手の練習に付き合う。どちらかといえば今っぽさが無く昭和の香りが漂う。礼儀正しく、野球に直向きで、人と素直に接する。

何より、石橋の笑顔は周りの人間を引き込む力がある。石橋康太18歳。ピッカピカのルーキーが竜の正捕手候補に名乗りを上げた。

文／写真：森貴俊