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長らくFA状態が続いていたクレイグ・キンブレルとダラス・カイケルの契約が立て続けに決まった。今月の初旬にアマチュアドラフトが開催された直後のことだった。
まずは、キンブレル。この球界屈指のクローザーは5日にカブスと3年4300万ドルで契約、その2日後には2015年ア・リーグサイ・ヤング賞投手のカイケルがブレーブスと1300万ドルで1年契約を結んだ。両選手とも戦列に加わるのは今月の後半だろうか。そうなると、今季の約半分を棒に振ったことになる。
ここまで契約が遅れた理由は、簡単に言えば彼らが自分で思う商品価値と市場が認めるそれとの間にそう簡単には歩み寄れないくらいのギャップがあったことだ。一説によると、当初キンブレルは6年総額1億ドル以上、カイケルは6〜7年総額1億5000〜2億ドルを求めていたとされている。
彼ら2人は確かにビッグネームだが、全盛期の終盤にあることも間違いない。ともに30歳を超えているし、キンブレルは昨年ポストシーズンでは神通力に陰りを感じさせ、カイケルもサイ・ヤング受賞の2015年をピークに毎年K/BB(奪三振と与四球の比率)は悪化している。
言い換えれば「格」はピカイチだがこれから長期にわたり奮迅の活躍を見せ続けてくれるかどうかはやや微妙なのだ。ここでまず需給バランスにアンマッチが生まれた。
これに、最近2年間のFA市場の冷え込みが拍車を掛けた。
さらに言うなら、クオリファイングオファーを受けている彼らを獲得することにより、今年6月のアマチュアドラフトでの上位指名権を失うことを各球団は恐れた。
6月に入ってから急にドタバタと契約がまとまったのも、ドラフトが終わったからだ。キンブレルと契約したカブスにせよ、カイケルを獲得したブレーブスにせよ、彼らを獲得することを躊躇させていた大きな要因のひとつが消え去ったのだ。
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