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4月8日、米合衆国ドナルド・トランプ政権は今後のキューバ選手のMLB移籍に大きな影響をを及ぼす判断を下した。前任のバラク・オバマ大統領時代から政府、MLB、キューバ野球連盟(FCB)の三者間で調整が進められ昨年12月に発表された、キューバ選手のMLB 移籍に関する協定を無効としたのだ。
歴史的な移籍協定とは?
シンプルに言えば、現在MLB機構&MLB選手組合とNPBやKBO(韓国)、CPB(台湾)の間に存在するポスティンングシステムをFCBにも適用しようというものだ。
その仕組みはこうだ。25歳以上で6年以上のプレー歴があるFCB選手がMLBに移籍した場合、契約総額の15〜25%が別途ポスティングフィーとしてFCBに支払われる。それより若い18歳以上の選手がマイナー契約を結ぶ場合は、契約金の25%となる。当該選手は契約額の4%をキューバ政府に納税することになるが、米国より就労ビザが発行され家族同伴で渡米できるだけでなく、オフには自由に帰国できる。
命がけの亡命とギャングの介入
このような協定が結ばれた背景には、あまりにも問題が多い現在のキューバ人選手のMLBとの契約プロセスがある。
選手は一旦第3国に亡命し(アメリカに直接亡命するとアマチュアドラフト対象者となり、契約交渉に競争原理が働かないため)、FAとしてMLB球団との契約交渉に臨むのだが、そもそも亡命には小さなボートで海を渡るなどの物理的な危険が伴い、かつそのプロセスには犯罪組織が介在するケースも多い。2012年に亡命したヤシエル・プイーグ(現レッズ)の場合は、メキシコに亡命後もマフィア組織に軟禁され、ドジャースとの契約後も度重なる脅迫に遭っていたという。
また、亡命による出国は家族との離別を意味する(その後、家族も亡命により後を追うケースもある)。亡命を目論む多くの者は、目を付けられぬよう近親者にも一切を秘密にして計画を実行することも多いようだ。
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