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◆「彼はアメリカでプレーしていないのかい?」メキシコ監督も脱帽
吉田の衝撃的なまでの活躍ぶりに、メキシコ代表を率いたダン・フィロバ監督も惜しみない賛辞を贈っている。
試合後の会見で、吉田についての印象を記者に尋ねられると、「すごくいい。コンタクト、スイング、技術もある。彼はアメリカでプレーしてるんじゃないの?」とまさかの逆質問。
首を振った記者に、監督はさらに「アメリカのチームが吉田を取りたいと言っているんじゃないでしょうか?」と、さらに追求した。
質問した記者もタジタジになって、「わからない」と応えるも、嬉々として「実にいい選手ですよ」としみじみと監督は賛辞を繰り返したのだった。
4番の重圧がないわけがない。しかしながら、稲葉監督が期待したのは、「ジャパンの代表という重圧のなかでも、自分のプレーができる選手。それができる若い選手ばかりを選んだつもりです」と明かしていたが、それを見事に体現してみせた。
メキシコの初見の投手を相手に、どういった意識で対峙していたのか。9日の記者会見では、吉田がいかに冷静に自身のバッティングを微調整したかが伺える。
「(どうアプローチするかは)各打者で違うと思いますが、僕は(メキシコの投手の特徴である)動く球を意識して、ポイントを入れるというか、詰まっていてもなんとかと落とす、というところを意識しながら、センター方向にしっかり返していくのを心がけて対戦しました」。
この日の日本の戦いぶりについて、フィロバ監督はこうも語っている。
「1回に5点を取られ、素晴らしいグランドスラムを打たれた。それで試合の主導権を奪われた。(メキシコは)有能な選手がたくさんヒットも打ってくれたが、日本の選手は守備もよく、点を返せなかった」。
そして、「日本はとてもいいチームだと思います。タレント揃いでアグレッシブ。総じて走塁がいい」。
吉田の爆発だけではない。ショートに就いた吉川尚輝(巨人)は、逆シングルで補球してのジャンピングスローというスーパープレーを見せ、大砲の6番大山悠輔(阪神)は四球で出塁し盗塁に成功するなど、うまさと若さがあふれた場面が要所で光った。
また、投手陣は7人全員がゼロ行進の好投。特に、7・8・9回は、精緻なコントロールで知られる森原康平(東北楽天)、パ・リーグのセーブ王の森唯斗(福岡ソフトバンク)、セ・リーグのセーブ王の山崎康晃(横浜DeNA)が圧巻の三者凡退劇を見せている。
結局、試合は6-0で侍ジャパンの勝利。前日の敗戦を払拭する、爽快でみどころの多い勝ちゲームとなった。
松山 ようこ
フリーランス翻訳者・ライター。スポーツやエンターテイメント関連コンテンツの字幕翻訳をはじめ、Webコンテンツ、関連ニュース、企業資料などの翻訳や制作を請け負う。J SPORTSでは、主にMLBや侍ジャパンのほか、2015シーズンより楽天イーグルスを取材し、コラムやインタビュー記事を担当。野球の他にも、幅広くスポーツ選手はじめ著名人を取材。Twitter @yokobooboo
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