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◆リードオフ:打線活性化の重要ポイント
グラウンドで最も声を出している福田周平が、打席に入っても元気だ。
選球眼と粘り強さを兼ね備え、状況判断にも優れた打撃がより生きるのは2番かもしれないが、本命不在の状況で1番打者を任される機会が増えている。スランプに陥っても転がせれば内野安打になるスピードがあり、走力も高い。
対称的に、物静かでいぶし銀の雰囲気漂う小田裕也も、試合に出場すればコンスタントに安打を積み重ねられる実力者だ。昨季はレギュラーを手にしかけたところで左手を骨折して戦線を離れたが、打率.287、出塁率.348は及第点だった。
対戦自体が少なかったが、対左投手打率.167で長打はなし。サウスポーを攻略して信頼を勝ち取りたい。
他には、昨季に強烈なインパクトを残した宗佑磨や、守備・走塁は一級品の後藤駿太がバットで結果を残せば、チームは盛り上がる。
有走者時は基本的に打者が有利。塁上をいかに賑わせてお膳立てを整えるかは中軸の復調とも無関係ではなく、打線の得点力に影響を及ぼす重要なポイントだ。
◆正捕手:打撃力向上がテーマ
興味深いのは、一軍で多くのマスクをかぶることが予想される伏見寅威と若月健矢が、共に打力向上を強く意識していること。昨季、チームの捕手が記録したOPS.552は12球団ワースト3位だった。
セ・パのリーグ優勝チームを見ても、守備が優先される捕手が打撃で貢献できれば、大きなアドバンテージとなる。
伏見は「2ケタ本塁打」を目指し、若月は数字の目標こそ設定していないが、城俊人も「打率2割8分」を口にした。ホームベースの後ろからだけではなく、横からでも投手を盛り立てたい。
◆内野手:長打力不足の解消がカギ
昨季は内野手に長打が少なく、二塁手(23本)、三塁手(34本)、遊撃手(18本)が放った数はいずれもリーグ最少と迫力不足が否めない。
実戦で出場機会を得ているルーキーの頓宮裕真が期待どおりの長打力を発揮できれば改善されそうだが、そうでなければ内野は今季も守備力重視の編成になる。
西野真弘と大城滉二を筆頭に複数ポジションをこなせる選手は豊富なため、「競争」はもちろん、相手や状況に合わせた「采配」も争点になりそうだ。
遊撃は安達了一の復調が望ましいが、アマチュア時代は本職だった福田の守備範囲の広さも一見の価値がある。
藤原 彬
アルバイト時代を含めて10年余り野球専門誌の制作に携わり、2016年にFAとなったさすらいのスポーツウォッチャー。「二兎を追う」を信条に、編集、執筆、写真、発信、校閲をこなす5ツール・プレーヤーを目指して勉強中。食にうるさい関西人だが、行く先々で「あんまり面白くないね」と言われる。同い年のレブロン・ジェームズは誇り。
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