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プロ3年目のシーズンで先発転向も視野に入れる山本由伸は、新球の習得に余念がないようだ。投手陣のみならず、今季からチーム最年長となる岸田護は10年ぶりにフォークの解禁を明言している。
これまで理想の選手を問われても口を濁していた大城滉二は、3割20盗塁を口にした。昨季、打力が開眼した伏見寅威は、捕手として2ケタ本塁打を目指す(達成すれば、球団では2008年の日高剛以来)。
このように今オフは例年よりも多く、バファローズの選手から新しい取り組みや、具体的な数字の目標が聞かれたように思う。変革期を迎えるチーム状況にあって、目の前のチャンスを掴み取ろうとする意識や危機感の表れだ。
各々の目標へ向けて、みっちりと野球漬けになれる春季キャンプが迫ってきた。今年は選手たちを刺激するように5勤1休のスケジュールが組まれ、昨年は9試合だった実戦は13試合も用意されている。
西村徳文監督は一、二軍の積極的な入れ替えも示唆しており、主力選手も自身の持ち味を再アピールする必要があるだろう。
また、長らくチームを支えた金子弌大や西勇輝、中島宏之、小谷野栄一らの退団は、オフの大きなトピックになった。
自身のペースで開幕に照準を合わせていた実績組が少なくなった状況もあり、春季キャンプ地の宮崎には、例年以上にピリッとした空気が感じられそうだ。
新指揮官がここまで具体的にチーム全体のテーマとして掲げているのは、「先発陣のイニング増」と「盗塁成功率の向上」だ。
前述のように、まずは金子と西の抜けた先発投手陣が再編成を迫られている。昨季に限っては両者の防御率は、3.60と3.87であり、チームの先発防御率3.80と大差はない。
だが、西は直近6シーズンで5度、規定投球回をクリアしており、昨季は25先発中19度も6イニングス以上を投げた。金子も17先発で12回が6イニングス以上だ。2人の42先発分を、いかにしてまかなうか。
新加入の選手で、すぐにでも結果が求められるのはエップラーだが、昨季は3Aで25先発して6イニングス以上を投げたのが14度で、7イニングス以上は3度だけ。
「イニング消化」の意味では、それほど大きな期待が持てそうにはないタイプだが、4四球以上を与えた登板が皆無だった点は心強い(追記すると、来日前のディクソンと成績が似ている)。
日本のプロ野球にうまく適合すれば、すいすいとセットアッパーまでつないでくれるかもしれない。
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