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ウィリー・マッコビー 10月31日没 享年80歳
バリー・ボンズの場外本塁打が幾度となく飛び込んだ、ジャイアンツの本拠地AT&Tパークライトスタンド後方の入り江(マッコビー・コーブ)に名を残すスラッガー。
長身痩躯で左投げ左打ちのホームラン打者という一塁手らしい一塁手だった。史上最高の選手とも称される通算660本塁打のウィリー・メイズ、20勝以上6度の大エースのホワン・マリシャルとともに1960年代ジャイアンツの「スリーMメン」と呼ばれた。
アラバマ州モービル出身で、メイズ、ハンク・アーロン、オジー・スミスと同郷。通算521本塁打は、テッド・ウィリアムズ、フランク・トーマスと同数で歴代20位だ。
1959年に新人王に選出され1980年を最後に引退したので、50年代から80年代まで4つのディケイド(10年間)でプレーしたことになる。デビューから1973年までジャイアンツに在籍。その間、63年に初の本塁打王、68~69年は連続で本塁打&打点の二冠王に輝いている。36歳になる74年にパドレスへ移籍。この頃から衰えも指摘され出したが、アスレチックスを経て1977年にジャイアンツに復帰すると、39歳ながら28本塁打と復活した。
感情を表に出さず、控えめに話す人物というイメージが強いが、こんなエピソードもある。
1978年のことだ。マッコビーの所属するジャイアンツは開幕から好スタートを切った。要因としては、開幕前にアスレチックスからトレードで獲得した1971年のMVP&サイ・ヤング賞投手のバイダ・ブルーの活躍があった。ある時記者が、チームリーダーのマッコビーにこう声をかけたそうだ。「ブルー獲得は球団史上最高のトレード補強だったね」。するとマッコビーは、淡々とこう返したという。「それは2番目に素晴らしいトレードだね。最高のトレードは私をジャイアンツに呼び戻したことだ」。骨太な自信家だったのだ。
背番号44は1980年の引退ともに欠番に。1986年殿堂入り。
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