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チェイス・アトリー (ドジャース)
7月に今季限りでの引退を表明していた。
2007~2011年のフィリーズ地区5連覇の中心選手としての印象が強いが、2015年途中以降に在籍したドジャースの本拠地LA郊外のパサデナ出身で、UCLAで学んだ生粋のウェストコーストボーイだ。球宴選出は6度で、2009年にはワールドシリーズでは史上タイの5本塁打も、MVPはシリーズを制したヤンキースの松井秀喜に譲った。
レギュラー定着は20代後半だったため通算安打は1885本でしかないが、通算WARは65.6で殿堂入り二塁手の平均69.5に比較しても遜色ない。強打に加え、守備も秀逸。そして攻撃的な走塁でも知られた。2015年ナ・リーグ・チャンピオンシップシリーズのメッツ戦での併殺崩しの走塁はその典型で、ピボットマンのルーベン・テハダを故障欠場に追い込み、翌年からの危険スライディングを禁止する新ルール設定のきっかけのひとつとなった。
2016年まではレギュラー二塁手として活躍したが、翌年以降はプラトン起用が中心。特に今季は7月の引退表明以降は、自身の故障やフラッグディールでのブライアン・ドージャーの加入で出場機会がめっきり減ってしまったのは残念だった。
エイドリアン・ベルトレー (レンジャーズ)
6月に3090本目の安打を放ち、イチローを抜いて外国生まれの選手としての通算安打記録を樹立した。9月に8本塁打と来季以降にも大いに期待を満たせる形でシーズンを締めくくったが、11月に引退を表明した。39歳だった。21年のメジャーキャリアで、最終的に積み上げた安打数は3166本。三塁手としては史上最多で、将来の殿堂入りは間違いないとことだ。
1998年に19歳でドジャースでメジャーデビュー。その後、契約時の年齢が規定の16歳に達していなかったことが判明。代理人のスコット・ボラスはドジャースの規定違反で契約無効、FA化を主張(これで高く売り込もうという戦略)したが受け入れられなかった。そもそも年齢を偽ったのは本人側の落ち度だと思うが、当時は「これがボラス戦法か」と妙に感心したものだ。その後はやや伸び悩みの感があったが、FAイヤーの2004年に突如大爆発。48本塁打&200安打と、大袈裟に言えばバリー・ボンズとイチローをミックスしたようなモンスターシーズンを送った。
FAとして5年契約を結んだマリナーズ移籍後は、打者不利の本拠地の影響を受けたか終始低空飛行。しかし、この頃から守備に磨きがかかり名三塁手としての名声は高まった。その後1年だけ在籍のレッドソックスを経て、レンジャーズでキャリアを終えた。早熟のラテン系選手はその分衰えも早いケースが目立つが、彼の場合は30歳を過ぎてから本格的な長い全盛期を過ごした感がある。
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