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与田剛新監督がドラフトで大阪桐蔭、根尾昂を引き当て、新体制発表から沖縄秋季キャンプ、同時に投手10人だけの沖縄キャンプと、ドラゴンズの時間はこの週数間あわただしく動いた。
ここまでは新体制を演じる役者は「誰?」が主な話題だったが、大事なのはこの後の「何?」だ。ドラゴンズは新しく生まれ変わるために何をしていくのか。それが沖縄で少しずつ表れ始めていた。
驚いたのは11月7日、与田監督沖縄キャンプ合流初日。ブルペンで精力的に動く中、監督、コーチから選手に伝えられる言葉が一貫していた。 「制球より前にボールの強さ。そのための投げ方」だった。
まるで投手陣にかけられた、ピンポイントで投げないといけないという呪文を取り払おうとしているように見えた。与田監督は「四球を減らせと言って減ったためしはない」と話す。
また、阿波野1軍投手コーチも「コントロールを意識しすぎて縮こまっているように見える。もっと伸び伸びと投げさせたい」と話す。
与田監督は評論家時代に培った経験だろう。表現をわずかに変えながら選手にメッセージを送る。
「ミットだけを見るな。キャッチャーの後ろに的があるくらいで腕を振ってこい」。大きく強く腕を振らせる表現をわずかに変えながら選手に伝えていた。
赤堀投手コーチも続く。「甘いボールは打たれやすいってだけで、必ず打たれるってわけではない。少々コースが甘くても球威でカバーできるボールを持っている投手は沢山いる。自分の中で甘いコースは絶対ダメって縛りつけると余計に甘くなるものですよ」と話した。
鈴木博志、木下雄介、又吉克樹、150キロを超えるストレートを持ちながら苦しいシーズンを過ごした。監督やコーチは彼らのポテンシャルを信じ、ゆっくり引き出そうとしているように見える。
鈴木博志は「シーズン終盤、打たれれば投げミスをしたボールばかりを気にしていた。ダメになればなるほど、ピンポイントで投げないとって意識は強くなっていた」と振り返る。
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