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野球 コラム 2018年9月10日

トム・ハンクスやジュリア・ロバーツに負けないメジャーリーガー

Do ya love Baseball? by ナガオ勝司
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「チームは違うけれど、同じ野球界という身近な場所に同じ病を患った選手がいるというのはとても心強かったし、彼の経験談を聞くことで、自分がこれからどうなっていくのかを推し量ることができた」

ただし、ベティスの癌はリンパ節に転移していたそうで放射線治療をしなければならず、復帰までに時間(約9カ月)がかかった。切除手術が可能だったタイロンの方は6週間で復帰している。

「僕らは同じことを経験してきた仲間なんだと思っている。2人とも復帰してから、お互いに指に血豆ができて悩まされたこともあって、そんな時にも連絡を取り合って、『どんな風に対処してるの?』なんて話をするようになった」

とべティス。結果はタイロンが10安打2失点で完投勝利。べティスは五回途中8安打9失点と崩れたが、二人とも試合後は異口同音に「特別な日になった」と言っている。

彼らは「Cancer Survivor=癌から生還した人」であり、その連帯感は強い。

タイロンは精巣癌から復帰した2017年、メジャーに昇格した後、悪性リンパ腫の「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」を患ったことのあるカブスのジョン・レスターからヒットを打った。

カブスの一塁手はマイナー時代に「ホジキンリンパ腫」を患って克服したアンソニー・リゾ。リゾはセットポジションに入ったレスターの(ほとんど投げない)けん制球に備えてグラブを構えながら、一塁ベース上に立つ新人にこう話しかけたという。「ヘイ、今、ここに3人の「Cancer Survivor=癌から生還した人」がいるってことだぜ」。

SU2C=癌と闘う人たちとその周りにいる人たちのイベント。それは新政権の誕生後、何かと「分断」や「隔離」がクローズアップされているアメリカが、一つになる瞬間である。

ナガオ勝司

ナガオ勝司

1965年京都生まれ。東京、長野、アメリカ合衆国アイオワ州、ロードアイランド州を経て、2005年よりイリノイ州に在住。訳書に米球界ステロイド暴露本「禁断の肉体改造」(ホゼ・カンセコ著 ベースボールマガジン社刊)がある。「BBWAA(全米野球記者協会)」会員

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