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JR東日本は田嶋がプロに進んだことで、今大会は全投手が「都市対抗初登板」だった。突出したエースはおらず、1回戦、2回戦とも継投で乗り切っている。ただし、大会ではまだ失点を喫していない。
太田龍(れいめい高卒)は190センチ・91キロの大型右腕で、最速153キロの速球を誇る本格派。スライダー、フォークといった縦変化の鋭さもあり、「ポテンシャル」はアマチュア球界の投手でもトップ3に入るだろう。
太田は東京2次予選で第4代表決定戦のロングリリーフで、出場権獲得に大きく貢献。本大会でも1回戦も先発に抜擢された。4回途中に降板したものの、無失点投球で勝利に貢献している。
西田洸汰(大商大浪商高)は178センチ・82キロの右腕で、140キロ台中盤の速球と、精度の高いフォークが素晴らしい。本大会は2試合とも「クローザー」として登板した。
特に2回戦の新日鐵住金鹿島戦は、1-0と緊迫した状況の7回2死から登板し、5奪三振の快投を見せた。
河野竜生(鳴門高→JFE西日本)は高卒2年目の左腕で、昨夏に続いてJR西日本の補強選手として活躍している。
175センチ・74キロと大柄ではないが、スリークォーターのフォームから投げ込む速球は昨年から力強さを増し、140キロ台中盤を記録する。2回戦は優勝回数通算7回の名門・東芝を相手に先発し、6回1失点の結果を残した。
衝撃的な「全国デビュー」を飾ったのが小木田敦也(角館高校卒)。174センチ・75キロと小柄な右腕だが、高校時代から知る人ぞ知る存在だった。
高卒2年目の19歳で、今大会はTDKから七十七銀行に補強されていた。三菱重工神戸・高砂戦の8回にリリーフで登場すると、敗色濃厚な展開ではあったが、最速150キロの速球で場内を沸かせた。
もうひとり、好印象を残したのが立野和明(中部大第一高卒)。181センチ・78キロの右腕だ。東海理化に所属する高卒2年目の右腕で、今大会は東邦ガスの補強選手として1回戦に登板した。
立野は登板こそ1回3分の1にとどまったが、身体の使い方に力みがなく、「筋の良さ」を感じさせた。13日のNTT東日本戦では速球が最速146キロを記録し、鋭い縦変化やカーブを使った緩急も印象的だった。
Honda鈴鹿の柘植世那捕手(健大高崎高卒)は高卒3年目のドラフト候補で、今大会の目玉の1人だった。しかし、今大会は1回戦で三菱日立パワーシステムズに敗れ、大きなインパクトを残せずに大会から去っている。
勝野昌慶(土岐商業高→三菱重工名古屋)は高卒3年目のドラフト候補で、今大会はトヨタ自動車に補強されている。1回戦は登板機会がなかったものの、2回戦(7/21)以降に出番があるだろう。
大島 和人
1976年神奈川県で出生。育ちは埼玉で現在は東京都町田市に居住。早稲田大学在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れた。卒業後は損害保険会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。現在はサッカーやバスケ、アマチュア野球など多彩なボールゲームの現場に足を運んでいる。Twitter(@augustoparty)
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