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バーランダーは2004年のドラフト1巡目(全体2位)指名でタイガースに入団し、翌2005年、傘下のマイナーA級レイクランドで13試合86.0回で104奪三振、防御率1.67という好成績を残してAA級エリーに昇格。そこでも7試合32.2回で32奪三振、防御率0.28という圧倒的な数字を残してメジャーに昇格した。2年目の2006年、大谷と同じ23歳の時に17勝9敗、防御率3.63でア・リーグの新人王に輝くと、2009年には自身初の最多勝(19勝)と最多奪三振(269三振)タイトルを獲得。2011年には最多勝(24勝)、最優秀防御率(2.40)、最多奪三振(259)とタイトルを総なめにしてサイヤング賞だけではなく、最優秀選手賞もダブル受賞した「メジャー屈指の投手」だった。
バーランダーが「全盛期は過ぎた」という印象を周囲に残し始めたのは、彼が31歳になった2014年のことだった。奪三振率が前年の8.9から6.9へと急降下。32歳になった翌2015年も7.6と苦しんだ。肩肘の大きな怪我こそなかったものの、同年はキャリア最小の133.1イニングしか登板できず、成績の上では「エース」と呼べない存在になってしまった。34歳になった去年も前半は5勝6敗、防御率4.73と苦戦しており、トレードの噂が出始めた7月に1勝3敗ながら防御率3.82、8月に4勝1敗、防御率2.36と調子を上げたものの、8月にアストロズが緊急トレードでバーランダーを獲得した時には疑念の声も上がった。ところが移籍後が無傷の5連勝で防御率は1.06と全盛期のような圧倒的な実力を見せつけ、それは前出のプレーオフでの活躍に繋がった。
もっとも、全盛期を過ぎた元・メジャー屈指の投手が復活するのは、珍しいことではない。
たとえばメジャー通算354勝投手のロジャー・クレメンス。クレメンスは27歳の1990年から3年連続でア・リーグの最優秀防御率タイトル(1991年は自身3度目のサイヤング賞)を獲得した後、バーランダーと同じように「全盛期を過ぎた」と見られるようになった。
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