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問題解消へ、4月半ばからは長打力を最大の売りとしながら四球も選べる吉田正尚の打順を2番に上げ、5月からは1番としての起用も続く。
この状況は、リーグ有数の打力を有しながら、リードオフを固定できずにいるカブス打線と似ている。
知将ジョー・マッドンは昨季、強打者カイル・シュワーバーを1番に据える“実験”を試みたが頓挫し、ポイントゲッターのアンソニー・リゾーを打線の頭に置くなど、苦心は今も続く。
2016年はデクスター・ファウラーが、ほぼ固定されて出塁率.393を記録していたが、同年限りで退団して以降、チームはその穴を埋められず、世界一からも遠のいている。
今季のバファローズは結果として、吉田がテーブルセッターに定着した4月28日からの11試合で、チームの1試合平均得点が3.91まで増えた。
「大当たり」と采配が結論付けられるのは、吉田のみならず、後続の中軸打者が結果を残し続けることも重要で、今後もいくばくかの忍耐が必要とされそうだ。
ただ、課題が明確になっているのは、チームが着実にステップを踏んでいることの証として、前向きに捉えてもいいかもしれない。
新戦力が多かった昨年の同時期は快調な滑り出しを見せたが、根拠として挙げられた「勢い」を失った時、急速に瓦解が始まった。
昨季を通してチームの強みも弱みも明るみとなったことで、チームの輪郭はだいぶはっきりとしている。
5月の声を聞くと勝ちが先行し、勝率5割も目の前に迫ってきた。22年ぶりのリーグ優勝へ向けた戦いは始まったばかりだ。
藤原 彬
アルバイト時代を含めて10年余り野球専門誌の制作に携わり、2016年にFAとなったさすらいのスポーツウォッチャー。「二兎を追う」を信条に、編集、執筆、写真、発信、校閲をこなす5ツール・プレーヤーを目指して勉強中。食にうるさい関西人だが、行く先々で「あんまり面白くないね」と言われる。同い年のレブロン・ジェームズは誇り。
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