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とは言え、シーズン序盤の多くのチームがそうであるように、彼らも今はまだ本調子ではない。チームの総得点は20試合経過時点でリーグ6位の88点であり、自慢の強力打線がアストロズ(106点)やアスレチックス(104点)の後塵を浴びている。
打線の弱点は結構、分り易い。それは下位打線だ。
「下位打線が打てないなんて、当たり前だろう?」と言うのは、昨季のアストロズには当てはまらない。今年と同じ20試合経過時点で、昨季のアストロズは6番ブレグマンが打率.243、7番グリエルが同.344、そして8番青木宣親(現東京ヤクルト)が同.354と当たっており、上位打線につなぐ役割を確実にこなしていた。シーズン途中に青木をブルージェイズにトレードしてからは一時的に下位打線が機能しなくなったが、それでもシーズンが終わった時点での下位打線の打率は6番が.271、7番が.267、8番が.295、9番が.241と揃っていたし、出塁率は総じて3割以上、アストロズの打最大の武器である長打率に至っては4割から5割あった。
今年はここまで6番に入った全選手が打率.194、7番が打率.156、8番が同.333、9番が.137と8番以外は苦しんでおり、出塁率や長打率もそれに準じて低い。これは現在まで6、7番に入ることの多いゴンザレスとガティスがともに打率1割後半から2割台前半と低迷していることと、9番に入ることの多いフィッシャーが打率1割台前半に沈んでいるからだろう。
では、今季のアストロズ打線は、昨季のような破壊力を失ったのだろうか?
もちろん、違う。前述のように彼らはまだ、「本調子ではない」だけで、いつ目覚めてもおかしくない状況にあるのだと思う。左手の怪我で開幕から長らく欠場していたグリエルの復帰は大きく、彼の代わりに一塁を守ってきた低迷中のゴンザレスは、昨季20試合を過ぎた辺りから10試合連続安打を記録するなどして調子を上げ、最終的には打率3割を記録する活躍を見せたSuper Utility Player=スーパー控え選手だ。問題は彼らが本調子になるのが「いつなのか?」だけだと思う。
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