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「男前」という言葉が似合う選手だ。チームの中心選手で人気選手の岡島豪郎。多くの人の支持を集めるのは、人気と実力が備わっているからなのだが、実にイケメンという言葉では軽く聞こえるほど、外見と内面が”整って“いる。
今季から岡島はチームの選手会長にも就任。さらにはチーム戦略から、いざという時の”第3の捕手”も担う。
昨年も一昨年も、岡島は開幕からバットでチームを牽引した立役者だった。今季は”スロースターター”気味だったが、それも心配無用だった。
打率1割台からのスタートだったが、今は3割を超え打率.305(4月23日現在)。ベンチで誰よりも大声を張り上げて、雰囲気を盛り上げる背番号4は、好不調を超えてチームに不可欠な存在感を放ち続けている。
◆「キャッチャーとして出る準備は、毎日しています」
岡島は、とにかく余計なことは言わない。言い訳も一切しない。取材をすれば、常に凛々しくも誠実に応対するが、どこまでも簡潔だ。まるでメディアにはスキを見せまいとしているようにすら見えるほど。
開幕直後にスタートダッシュしなかったのは、もしかして選手会長と第三の捕手としての役割が、見えない負担になっているのではないか。
そう思って尋ねた時も、「まったく関係ありません。選手会長?みんながしっかりしているので、やることなんてないも同然です」。
”ないも同然”ではない。実際には他球団も含めた選手会の会議に出席したり、時には選手の声を集めて、フロントに意見をしたり。
一般企業における労働組合長のようなもので、それはチーム内での実績と信頼に加えて、「言うべきことを言う」ことができる人材でないと務まらない。だが、そんなことは承知しているとばかりに岡島は言ってのける。
「僕がやることは、選手がやりやすいようにするだけのこと。何かあったらフロントの人と話をしたりとか、そういうことです」。
いざという時、チームのために動くのは、グラウンド内でも「第三の捕手」という形で求められている。もともと捕手でプロ入りしたが、2014年から外野手に登録して活躍してきた。
それだけに春季キャンプでは、久しぶりにブルペンでキャッチャーマスクを被った姿も注目されたが、それも何でもないように岡島は言う。
「もちろん、ブルペンでは真剣です。でも、別にキャッチャーとして練習をしているわけでもないし、大変なことは全然ないです。身体にも全然、負担はかからないですし」。
「ただ、準備は常にしてますよ。いつ言われてもいいように、キャッチャーとして出る準備は毎日してますけど」。不言実行。昔気質の男気が、言葉にしなくても伝わってくるようなのだ。
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