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野球 コラム 2018年3月28日

開幕前にこのオフを総括「爆買球団の消滅が市場全体の競争を弱めた」

MLB nation by 豊浦 彰太郎
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「大物FAこそ獲得していないが超超高額契約のジャンカルロ・スタントンをトレードで獲得したではないか」という指摘もあるかもしれません。どこが「ワイズスペンディング」(この言葉もう古い?)なのか、ということです。しかし、「スタントンはハーパーより安い」という見方もできます。ハーパー獲得には総額4億ドルの10年契約が必要とも言われています(代理人のスコット・ボラスが吠えているだけ?)が、それに比べればスタントンの残り10年(2027年まで)の2億9500万ドルも安上がり?と言えなくもありません。それに、ヤンキースはスタントン獲得に当たり、ソコソコ高年俸(残2年2271万ドル)のスターリン・カストロを交換相手として放出し今季の年俸総額上昇の中和に努めています。

基本的に、FA相場の高騰は競争があってこそです。その証拠に、冷え切ったと評されるこのオフですら、近年その価値が再認識されている救援投手はウェイド・デービス(ロッキーズ)、ヘクター・ロンドン(アストロズ)などが意外なまでに好条件を手にしましたし、平野佳寿(Dバックス)や牧田和久(パドレス)もそれぞれ2年600万ドル、2年400万ドルを手にしているのです。供給量以上の需要があったと言うべきでしょう。

ところが多くの有力FAは、全体の競争が鈍化する中で「相場は年々高騰するもの」という前提に立った条件に固執しました。その結果、時が経過しスプリングトレーニングの時期に突入し競争原理が益々効かなくなってしまい、ある意味では屈辱的な条件を受け入れざるを得なくなってしまいました。

「経済原則」を改めて認識させられたこのオフでした。

代替画像

豊浦 彰太郎

1963年福岡県生まれ。会社員兼MLBライター。物心ついたときからの野球ファンで、初めて生で観戦したのは小学校1年生の時。巨人対西鉄のオープン戦で憧れの王貞治さんのホームランを観てゲーム終了後にサインを貰うという幸運を手にし、生涯の野球への愛を摺りこまれた。1971年のオリオールズ来日以来のメジャーリーグファンでもあり、2003年から6年間は、スカパー!MLBライブでコメンテーターも務めた。MLB専門誌の「SLUGGER」に寄稿中。有料メルマガ『Smoke’m Inside(内角球でケムに巻いてやれ!)』も配信中。Facebook:[email protected]

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