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――下半期の個人戦では、6大会中5大会で「韓国の新星」安洗塋(アン・セヨン)選手と対戦しました。彼女の印象を聞かせてください。彼女をはじめ、2024年パリ五輪に向けて、新しい相手も出てきたと感じますか
山口:アン・セヨン選手は、ラリー力とディフェンス力が高くて、ミスが少ないので、点数を取りに行く部分では難しさを感じる選手です。若いというか、新しい選手も一気にというわけではないですけど、少しずつ伸びてきているのかなと思います。これまでみたいにトップ選手がほとんど負けないという状況は、少なくなってきているのかなと思います。
山口茜選手
――同じ相手との対戦が多かった中、世界選手権の決勝戦は、東京五輪の銀メダリストで世界ランク1位の戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)選手を相手に良い勝ち方ができたと思います。約2年半ぶりの対戦でしたが、どういったプランだったのでしょうか
山口:すごい久しぶりの対戦でしたし、世界ランクもずっと1位で、常に決勝に残ってくる選手。楽しんでやれたと思います。相手は、長いラリーでコントロールをする戦い方ではなく、自分から崩しに来るプレースタイル。こちらの足を止めるようなネット前へのショットが上手いです。だから、自分から先に仕掛けていったり、相手の仕掛けに早めに反応してしまうと(逆を突かれて)自分が後手になったり、ストップ&ゴーのフットワークになって体力を奪われたりしてしまうので、まずはいかに崩されないか。しっかり見て(出足が遅れても)食らいつくイメージでやっていました。ただ、打ち下ろしてくる球や攻撃的な球が多い選手なので、それを(狙ってカウンターで攻めて)逆手に取らないとチャンスがないかなと思っていたので、そういう意味では、前の方でのタッチは早くできていたのかなと思います。
――山口選手は、理想像を作って目指していくタイプではなく、目の前の課題に対して少しずつアップデートする成長を考えていくタイプですが、今の自分の課題は?
山口:正直、何も固まってはいないです。下半期は、コンスタントに良い成績を残せて、良いプレーをできる機会も多かったと思っているので、今は、それが来年になっても継続できたら良いなと思っています。もしも自分が身長の高い選手で、打ち下ろすショット一発で決められたらいいなとか、考えたことがないわけではないですけど(笑)、結局、現実的には、今、自分が持っているものしか出せません。それなら、これができるという自分の一つのスタイルしかできなくなるより、相手に対応して何でもできる、誰にでも合わせられる選手が、一番強いのかなと思っています。
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